富士通は、オムロンの草津工場で、ビッグデータ分析の実証実験を開始した。製造ラインのビッグデータ分析による可視化と改善ポイントの抽出が目的で、2014年4月〜9月に行われる。

実証実験では、オムロンの制御装置「Sysmac」とデータベースシステム「Microsoft SQL Server」でプリント基板ラインのログを収集し、個体ごとに生産実績を可視化し、製造ラインの改善を検証する。

富士通、オムロン草津工場にて、ものづくりビッグデータ分析の実証実験
実証実験概要図

また、はんだ印刷機や電子部品をプリント基板に配置する装置の高速マウンター、多機能マウンターやはんだを溶かすリフロー炉などの4工程のうち、3工程のログから生産実績データを抽出し、製品一つひとつと紐付けて分析用のDBに格納する。

2013年9月から、富士通はプリント基板の製品情報と製造ラインの各行程ごとの実績データを個体別で紐付けるプロトタイプシステムを開発していた。今回の実証実験では、プリント基板の品種やロット生産単位、勤務シフト別、経過時間など、様々な切り口からリアルタイムに分析できるインメモリ DB を構築。稼働率や生産リードタイムの結果の容易に把握や分析を可能とする。

今後、実証実験から得たノウハウを利用し、異常をリアルタイムで検知しラインを制御する仕組みを検証するという。