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mazec と Simeji |
iPhone や iPad を動かす基本システムである iOS ではこれまでずっと、標準搭載の IME 以外は利用できなかった。しかし米国時間の9月17日に公開となった最新版「iOS 8」から方針が大きく変わり、他社製の IME も使えるようになった。
多くのユーザーは、PC、Android スマートフォン向け IME として人気の高いジャストシステム製「ATOK」の iOS 版に関心を寄せている。同製品は語彙が豊かで漢字かな変換の精度が高いとしてブランドになっている。
しかし ATOK だけが IME ではない。ジャストシステムの創業者である浮川和宣、浮川初子の両氏が立ち上げた MetaMoji は、手書き入力の使いやすさで定評がある「mazec」の iOS 版を早くも公開した。販売価格は700円(10月以降は900円)。指やスタイラスを使って直感的に文字を入力し、テキストに変換でき、小さなソフトキーボードやフリック入力に苛立たずに済むとうたっている。
また「Simeji」の iOS 版も公開になった。こちらは無料だ。キーボードの着せ替えができるほか、クラウド環境と通信することで、合計3万個の顔文字を簡単に入力できるなど、若い女性を狙ったような機能を打ち出している。Android 版として実績のある製品だが、中国の検索大手バイドゥによる買収後にユーザーの入力内容を勝手に外部送信する機能が加わって物議をかもした一面もあり、 iOS 版がトラブルを起こさず ユーザーを伸ばせるかは興味深いところ。
なお、ATOK にとって最も強力な競合となりそうな米国 Google の「Google 日本語入力」はまだ App Store に姿を見せていない。今後の動きが気になるところだ。