走りながらCO2を吸収する電気自動車「ZEM」(プロトタイプ) アイントホーフェン工科大学の学生らが公開

CO2を吸収する電気自動車「ZEM」のプロトタイプをアイントホーフェン工科大学の学生らによるチームが開発。オランダ ハーグのローマン自動車博物館でお披露目しました。

走りながらCO2を吸収する電気自動車「ZEM」(プロトタイプ) アイントホーフェン工科大学の学生らが公開

CO2を排出しないだけでなく、走りながら大気中のCO2を減らすことを目的として開発されたプロトタイプ車両。「直接空気回収(Direct Air Capturing:DAC)」と呼ばれる技術を搭載することでこれを実現しています。「ZEM」が走行するとクルマに搭載されたフィルターを空気が通過。このときフィルターが空気中からCO2を取り出して車内のタンクに貯蔵します。これにより「ZEM」が走れば走るほど空気がクリーンになる、という仕組みになっています。


空気を取り込むのは従来車両ではフロントグリルにあたる部分。チームによれば「ZEM」が60km/hで年間に2万600km走行することで、最大で2kgのCO2を吸収できるのだとか。

走りながらCO2を吸収する電気自動車「ZEM」(プロトタイプ) アイントホーフェン工科大学の学生らが公開

チームはもし世界中のクルマにDACが搭載されれば、CO2削減に大きく貢献できるとしています。

走りながらCO2を吸収する電気自動車「ZEM」(プロトタイプ) アイントホーフェン工科大学の学生らが公開

チームは「ZEM」の製造段階でもCO2排出量削減に努めました。ボディの多くは3Dプリンターで製造し、必要なパーツだけを正確な形状で作り出すことで廃棄物の発生を抑えています。またパーツの多くはリサイクルでき、廃車後のCO2排出量も従来の車両より削減できるとしています。