
「もしも猫展」が2022年7月2日から、名古屋市博物館で開催される。「もしもネコが人だったら?」「もしも人がネコだったら?」という想像を具現化した作品を堪能できる展示会。

浮世絵師の歌川国芳(うたがわくによし)は天保12(1841)年頃から、ネコを擬人化したり、役者をネコにした作品を次々と発表している。

「もしも猫展」ではネコの擬人化作品と、それらを描いた歌川国芳を主軸に据えながら、江戸時代の擬人化表現の面白さに着目。歌川国芳の作品の魅力を探る。
展示会のみどころ
人のようなネコの姿を楽しむ
ネコをテーマに据えた浮世絵をはじめとする135件の作品により、江戸時代における擬人化の世界を堪能できる。作品はネコ好きはもちろん、擬人化表現に興味を持つ人にも楽しめるセレクトとなっている。
歌川国芳のアイデアを楽しむ
ネコ好きとして知られる歌川国芳は、天保12(1841)年から集中的にネコの擬人化作品を描いている。その展開と後世への影響を紹介しながら、アイディア溢れる歌川国芳の魅力を堪能できる。展示構成
第1章:くらべてみる
展覧会の幕開けとして、擬人化して描いた作品と、共有されていたイメージを具体的に見くらべてみることで、擬人化表現の魅力を再発見する。

第2章:擬人化の効能
擬人化世界の入り口として、人ではないものが主役の異類物や昔ばなしや戯画、風刺画など、江戸時代から明治にかけての擬人化作品を紹介し、擬人化することによりどのような効能が引き出されるのかを紹介する。
第3章:おこまものがたり
天保13(1842)年、山東京山と歌川国芳によって、ネコのおこまの一代記をあらわした合巻(長編小説)『朧月猫の草紙』が刊行され、人気を呼んだ。第3章では「おこまものがたり」の継承と広がりを明らかにする。
第4章:人、ネコになる
天保12(1841)年、歌川国芳による団扇絵「猫の百面相」が流行する。この作品は、“ネコを人のように描く”のではなく、“実在する人間の歌舞伎役者をネコに見立てて描く”という趣向によるもので、「もしも、あの有名人がネコになったら?」というアイデアが起点になったものと考えられる。第4章では、「猫の百面相」流行の様相と展開をみる。
第5章:歌川国芳のまなざし
いかに対象を観察し、描くか。そしてアイデアをどのように膨らませ、形にしていくか。歌川国芳のあふれでるユーモラスなアイデアを堪能する。
終章:もしも…。
展覧会の最後にもういちど、歌川国芳が擬人化ネコ作品を集中的に描きはじめた頃の作例を紹介する。「もしも猫展」開催概要
開催期間:2022年7月2日から8月21日まで開館時間:9時30分から17時まで(入場は16時30分まで)
休館日:7月4日、11日、19日、25日、26日、8月1日、8日
開催場所:名古屋市博物館(愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通1-27-1)
観覧料:一般1,600(1,400)円、高大生1,000(800)円、小中生500(300)円
( )内は前売および20名以上の団体料金。前売券は2022年7月1日まで購入できる。
