鈴与商事、フジドリームエアラインズ（FDA）、ユーグレナは、定期旅客運送を行うエアラインとして初めてユーグレナ（ミドリムシ）などを原料としたバイオジェット燃料「サステオ」を使用したチャーター運航を実施した。

ミドリムシで遊覧フライト！ FDAがバイオジェット燃料「サステオ」を使用したチャーター運航を実施

鈴与グループで定期航空運送を担うフジドリームエアラインズ（FDA）と、航空燃料の調達・供給を担う鈴与商事は2022年3月16日に、FDAのジェット旅客機「エンブラエルERJ175」にユーグレナ社のバイオジェット燃料「サステオ」を給油。富士山静岡空港～県営名古屋空港（小牧）間でチャーター運航を実施した。両空港でのバイオジェット燃料を使用したジェット旅客機のフライトは初の試み。

サステオとは？

「サステオ」という製品名は「サステナブルなオイル」に由来。軽油の代替となる「バイオディーゼル燃料」やジェット燃料の代替となる「バイオジェット燃料」等が製造・販売されている。

原料は使用済み食用油と、微細藻類ユーグレナ（ミドリムシ）等の微細藻類。従来のバイオ燃料はトウモロコシやサトウキビ等の作物を主な原料としているため、食料との競合や、森林破壊にともなう温室効果ガスの増加といった問題があった。だが、「サステオ」ではそのような問題を起こさない、持続可能性に優れた燃料を目指している。

「サステオ」は、燃料として燃焼される際にはCO2を排出するが、使用済み食用油の原材料である植物もユーグレナも、成長過程では光合成によってCO2を吸収する。このため、燃料を使用した際のCO2の排出量が実質的にはプラスマイナスゼロとなるカーボンニュートラルの実現に貢献すると期待されている。

鈴与グループにおけるサステオの活用について

鈴与グループはすでに、ユーグレナによるバイオディーゼル燃料「サステオ」を導入しており、2021年7月には鈴与商事で自社の宅配水配送車両に、2021年9月には鈴与グループで国内輸送事業を担う鈴与カーゴネットで異業種メーカー間で共同運行する車両に、軽油代替として給油してトライアル運行を実施してきた。「サステオ」を「バイオジェット燃料」と「バイオディーゼル燃料」の両方で活用する事例は、鈴与グループが初だという。

鈴与グループは今回の取り組みにより得られた地方空港におけるバイオジェット燃料の調達・供給・品質管理に関する知見をもとに、今後の本格的なバイオジェット燃料の導入に向け検討を継続するとしている。