ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」

英国White Motorcycle Conceptsが、英国ノーサンプトンシャー警察と共同で開発した「WMC300FR」を12月6日(現地時間)に公開しました。バイクでは珍しく、モーターとガソリンエンジンによる“ハイブリッドシステム”を搭載しています。

ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
White Motorcycle Conceptsが「WMC300FR」を公開

White Motorcycle Conceptsは “空力のスーパー電動バイク”と呼ばれる「WMC250EV」で知られるメーカー。この電動バイクにはボディをフロントからリアまで貫くエアトンネル「V-Air」が設けられており、走行時の空気抵抗を減らして高速走行を実現します。White Motorcycle Conceptsは「WMC250EV」で2022年に世界最速記録記録を樹立することを目指してしています。


ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
参考画像:エアトンネル「V-Air」を採用した「WMC250EV」

今回発表された「WMC300FR」は、世界最速ではなく、CO2排出量の削減に向けた取り組みに少しでも貢献することを目標としたバイク。ガソリンバイク/スクーター比で最大50%のCO2排出量カットを目指しています。

ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
ガソリンバイク比で最大50%のCO2排出量カットを目指す

「WMC300FR」のベースとなった車両はヤマハ「トリシティ 300」。そのエンジンなどはほぼそのままに、5kW(6.8PS)のモーターを追加しました。走り始めから一定の速度域までをこのモーターで走行することで、ガソリンの消費量とCO2の排出を抑えています。

ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
ヤマハ「トリシティ 300」に5kW(6.8PS)のモーターをプラス

バッテリーは交換可能なタイプがリアボックス内に収納されました。警察署内では常に複数のバッテリーが充電されていて、バイクのバッテリーが切れたら充電済みのバッテリーと交換して走行を再開できます。充電待ちの時間が発生しないので、すぐに現場に急行できます。

ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
バッテリーは交換するタイプ

また、「WMC250EV」同様にエアトンネルも設置されています。White Motorcycle Conceptsによれば、このエアトンネルは「トリシティ 300」のシート下ストレージ用スペースを活用したものだとか。これにより走行時の空気抵抗を減らし、燃費の向上CO2排出量の削減を図っています。

ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
「WMC250EV」同様にエアトンネルを設置

ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
空力特性を向上させて燃費を良くし
CO2排出量も抑えます

ヤマハ「トリシティ 300」の持つ良さはそのまま維持されています。欧州では普通自動車免許で乗れるので、普段はバイクに乗っていない人も利用できます。欧州の旧市街などでは道が狭くてクルマが入りにくく、滑りやすい石畳が続いて2輪バイクでは運転が難しいことも。そんな場所でも、幅が狭くて3輪で滑りにくい「WMC300FR」は力を発揮します。

ヤマハ「トリシティ 300」ベースのハイブリッドバイク「WMC300FR」
参考画像:欧州の街を走るヤマハ「トリシティ 300」(オリジナル)

ノーサンプトンシャー警察は「WMC300FR」を導入したことで、行政機関がCO2排出抑制に対して強い意識をもって取り組んでいることを広くアピールでき、経費の削減にも期待できるとしています。