航続距離は7,000km! ローエミッションの四輪駆動車Fering「Pioneer」

英国のスタートアップ企業Feringが「Pioneer」を公開しました。航続距離7,000kmを謳うローエミッションカーで、プロトタイプはすでに主要顧客による性能評価が開始されています。

航続距離は7,000km! ローエミッションの四輪駆動車Fering「Pioneer」
Feringが航続距離7,000kmを謳うローエミッションカー「Pioneer」を公開
(画像はプロトタイプ)

パワーユニットは前後のアクスルに1基ずつ取り付けられた合計2基のモーター。最大トルクは合計で600Nmと、同クラスの四輪駆動車に搭載されるディーゼルエンジンと同程度の性能を発揮します。


航続距離は7,000km! ローエミッションの四輪駆動車Fering「Pioneer」
モーターならではの強力なトルクを発生

このモーターに電力を供給するのはチタン酸リチウムバッテリー。このバッテリーはリチウムイオンバッテリーよりも充電時間が短くて済むというメリットを持っています。とはいえ、このバッテリーだけで走行できる距離は80km程度。行く先々で「充電させてくれませんか?」とお願いする羽目に陥りそうです。

航続距離を伸ばすため、「Pioneer」にはバイオディーゼル燃料で動作する発電専用の800cc3気筒エンジンが搭載されました。このエンジンは「Pioneer」の走行状況を把握し、登坂時には発電量をアップさせてバッテリーへの電力供給を増やします。一方で、下り坂や減速時など回生エネルギーが多く得られるときにはエンジンを停止するなど、最も効率の良い発電を実施します。

航続距離は7,000km! ローエミッションの四輪駆動車Fering「Pioneer」
様々な種類のバイオディーゼル燃料に対応可能
仕向け地に合わせて調整もできるのだとか

「Pioneer」が航続距離7,000kmを実現するためのもうひとつのカギはボディの軽量化。「Pioneer」には、以前にフェラーリとマクラーレンでエンジニアとして働いていたBen Scott-Geddes氏により、スーパーカーやレーシングカーで用いられている軽量化技術が導入されています。この結果、「Pioneer」は四輪駆動車でありながら、乾燥重量1,500kgという軽量化を実現しました。

航続距離は7,000km! ローエミッションの四輪駆動車Fering「Pioneer」
乾燥重量1,500kgを実現
(画像はCGで描かれた量産モデル)

また、「Pioneer」には長距離走行用の大型燃料タンクも装備されており、これらの技術や装備によってノンストップで7,000kmの走行が可能となっています。

航続距離は7,000km! ローエミッションの四輪駆動車Fering「Pioneer」
タンクの容量が気になりますね
7,000km分の燃料を一気に入れたら、財布が空になりそうです

大型燃料タンクと発電用エンジンが搭載された「Pioneer」は、災害時などにもその実力を発揮できます。四輪駆動車として救助などで活躍できるだけでなく、停電している場所で電力の供給が可能となります。

Feringは「Pioneer」の生産を2022年の前半に開始する予定としています。