クラファン墓場?失敗したスタートアップ企業のプロダクトを懐かしむ「Dead Startup Toys」

MSCHF Product Studioが「Dead Startup Toys」をオープンしました。クラウドファンディングプロジェクトなどで話題となり、その後消えていった製品を小さなおもちゃにして販売するオンラインショップです。

クラファン墓場?失敗したスタートアップ企業のプロダクトを懐かしむ「Dead Startup Toys」
あくまでもおもちゃ
当時の雰囲気を懐かしむものです

販売されているのは「Jibo」「Coolest Cooler」「Juicero」「One Laptop Per Child」「Theranos」の5製品のおもちゃ。クラウドファンディングサイトで大きな話題になったり、ベンチャーキャピタルからの資金調達に成功したりしたものの、その後の展開に失敗して消えていった製品ばかりが集められています。


販売しているおもちゃをいくつか紹介しましょう。まずは「Jibo」。これは2014年にクラウドファンディングサイト「Indiegogo」で250万ドルを調達して話題となりました。さらにベンチャーキャピタルからも総額で7,300万ドル(約80億円)もの資金を調達したのですが、製品の出荷は遅れに遅れて2017年にまでずれ込みました。その後、開発元のJibo社は2018年に事業を畳んでいます。

2014年にIndiegogoで250万ドルを調達したJIBO
動きがカワイイ「JIBO」

MSCHF Product Studioは、「Jibo」はAmazon Echoに敗北したと分析しています。Amazon Echoは「Jibo」ほどキュートではありませんでしたが価格はおよそ10分の1。しかも、Amazonから手軽に購入でき、製品がすぐに手に入るという大きなメリットを持っていました。

クラウドファンディングサイト「Indiegogo」で250万ドルを調達したJIBO
おもちゃ版のサイズはこんな感じです

続いて紹介するのは「Coolest Cooler」。こちらは2014年にKickstarterで1,300万ドルの調達に成功し、その時点での調達金額の最高記録を達成したプロダクトです。

2014年にKickstarterで1,300万ドルの調達に成功した「Coolest Cooler」
キャンプ場で搾りたてジュースが飲める「Coolest Cooler」
当時としては画期的なアイディアでした

「Coolest Cooler」はアウトドアレジャーで使用するクーラーボックスという昔からある商品ではありますが、何しろ機能が豊富。スピーカーやミキサー、バッテリーの機能も搭載されていました。これだけの機能を持ちながら、入手に必要な出資金額はわずか185ドルという設定。でも、この金額は安すぎたようで、開発元は2016年には破産しています。

「Coolest Cooler」は多くの人に対して、「クラウドファンディングプロジェクトに出資しても、開発に失敗して出資金が戻らないことがある」という教訓を与えた製品となりました。

2014年にKickstarterで1,300万ドルの調達に成功した「Coolest Cooler」
おもちゃ版は小物入れとして使えます

MSCHF Product Studioのおもちゃは「Sold Out」になっていることも。でもほとんどの場合はその後再入荷していますので、欲しいおもちゃが売り切れであってもしばらく待ってみてください。

クラファン墓場?失敗したスタートアップ企業のプロダクトを懐かしむ「Dead Startup Toys」
Linux好きの心をくすった「One Laptop Per Child」

おもちゃを購入する気がない人も、説明を読んでみるだけでも興味深いかと思います。クラウドファンディング黎明期の“熱”を思い出せて楽しめますよ。