充電時間をより短く 乗車可能時間をより長く ボルボが電気自動車の今後の方向性を発表

ボルボが6月30日、今後同社から発売される電気自動車の方向性について発表しました。同日「Concept Recharge」も発表。こちらは自動車デザインの新しいパラダイムを示し、同社から今後発売されるEVの方向性を示すコンセプトカーです。

ボルボが目指すのは、「充電時間を最小に 乗車可能時間を最大に」した電気自動車。ホンダのMM思想(人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小に)を想起させるようなコンセプトですが、ボルボはバッテリー効率の改善でこの目標の実現を目指しています。


具体的にはスウェーデンのバッテリーメーカーと協業し、1回の充電で1,000km走行できるバッテリーを開発。充電回数を減らすことで乗車可能時間の延長を目指します。充電に必要な時間の短縮も目指しており、ボルボの予想では2020年代半ばに充電時間は現在のほぼ半分になる見込みだとか。また、バッテリーのデザインを改善することで重量とサイズも減らし、乗客や荷物のためのスペースの最大化も目指します。

充電時間をより短く 乗車可能時間をより長く ボルボが電気自動車の今後の方向性を発表

「Concept Recharge」は、ボルボによる電気自動車の今後の方向性を具現化したコンセプトカー。電気自動車専用のプラットフォームの可能性と、持続可能な社会に向けた新しいインテリアを紹介しています。

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ボルボの第一世代EVでは、プラットフォームをガソリン自動車と共有していたそう。バッテリーパックとエンジンの両方を設置できる形状とする必要があったために、デザイン上の制約があったそうです。

今回、「Concept Recharge」で示されたプラットフォームは、電気自動車専用にデザインされたもの。エンジンを搭載するスペースはなく、フラットなフロアを備えています。これにより、ロングホイールベース、ショートオーバーハングが可能となり、広いキャビンとカーゴエリアを実現しました。ここにも、ホンダのMM思想に似た考え方を感じ取ることができます。

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インテリアでは、スカンジナビアのリビングルームの雰囲気を導入。従来の“クルマ用”という概念を超えて、部屋のインテリアに近いデザインとされています。マテリアルでは持続可能な発展に向けた天然素材を多用しています。

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大型の15インチサイズのタッチスクリーンを採用。直感的かつ論理的に使用できるインターフェイスを備えています。

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「Concept Recharge」の設計責任者であるRobin Page氏は、「Concept Rechargeでは、ボルボのデザインDNAの豊かなルーツを現代的で新鮮な方法で継承しながら、電気自動車の未来に向かって進んでいます。お客様が電気自動車であるボルボに期待することをすべて表現しており、これらを次世代の車に反映させることに興奮しています」と述べています。

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