ピアッジオグループジャパンは、アプリリア 新型「Tuono V4 Factory」の受注を6月9日に開始した。RSV4のシャーシ構造やエンジンをベースとしたハイパーネイキッドバイクに対し、進化したエアロダイナミクスパーツや電子制御システムを搭載している。


エアロダイナミクスでは、フレームに固定されたトップフェアリングを採用。フロントエンドの重量を軽減し、一般的なスポーツネイキッドバイクには無い優れた防風性と、正確で高いレスポンス性を実現している。



RSV4に導入された「デュアルフェアリング」のコンセプトを継承しており、高速走行時の安定性を最適化すると同時に、直接気流からライダーを守ることで快適性を向上させ、さらにエンジンから排出される熱風を逃がしている。


電子制御システムでは、6種類のライディングモードを搭載した。ライディングモードを選択することで、トラクションコントロール、ウィーリーコントロール、エンジンブレーキ、ABSなどの管理パラメーターが自動的に最適な設定となる。

◆ 公道で使用する3種類のライディングモード
・ Tour：日常ライド向け
・ Sport：公道でのスポーティな走りを実現
・ User：ライダーによってカスタマイズされた設定

◆ サーキット向けの3種類のライディングモード
・ Race：アプリリア開発チームの経験に基づいてチューニングが施されたモード
・「Track 1」及び「Track 2」：ライダーがカスタマイズできるモード


足元では、電子制御サスペンションを標準装備した。アプリリアとオーリンズが協力して開発したもので、Smart EC 2.0セミアクティブサスペンション特有の技術により、セミアクティブモードとマニュアルモードの2つの操作モードを備えたフォークとショックアブソーバーのキャリブレーションをカスタマイズできる。



エンジンでは最高出力175HP（129kW）/11,350rpm、最大トルク121Nm/9,000rpmを発生する4ストローク 水冷65度V型4気筒DOHCタイプを搭載。V型構造を採用することでエンジンをスリム化し、マスの集中とシャーシのコンパクト化を達成した。シリンダーヘッドの構造にバルブスプリングバケットタペットを採用したことで、最大回転数は従来の12,500rpmから12,800rpmへと300rpm増加。より切れ味の良いスリリングなパフォーマンスを実現している。


デザインでは、横幅が狭い新しい燃料タンクを導入。ライダーのバイクへのフィット感が向上し、ブレーキ時に上体をしっかりサポートすることで腕への負担を軽減する。サドルは従来モデルよりも長く、長身のライダーにも対応可能とした。



カラーは「アプリリアブラック」で、メーカー希望小売価格は225万5,000円。出荷は2021年7月下旬頃から順次開始される予定。

■ Tuono V4 Factory 主要諸元】
エンジン：4ストローク 水冷65度 V型4気筒 DOHC 4バルブ 1,077cc
ボア×ストローク：81×52.3mm
圧縮比：13.6:1
最高出力：175HP（129 kW）/11,350rpm
最大トルク：121Nm/9,000rpm
フロントサスペンション：Smart EC 2.0電子制御オーリンズ製NIXテレスコピック43mm径チタンコーティング倒立フォーク、アルミ製ラジアルキャリパーマウント、スプリングプリロード、コンプレッション及びリバウンド調整機能、ホイールトラベル120mm
リアサスペンション：ダブルブレースアルミ製スイングアーム、Smart EC 2.0電子制御オーリンズ製TTXモノショックビギーバックタイプ、スプリングプリロード、ホイールベース、コンプレッション及びリバウンド調整機能、ホイールトラベル129mm
フロントブレーキ：330mm軽量ステンレス製フローティングデュアルディスク、ブレンボ製M50モノブロック ラジアルマウント30mm径4ピストンキャリパー、ラジアルポンプ
リアブレーキ：220mmディスク ブレンボ製32mm径 2ピストン フローティングキャリパー
ABS：ボッシュ製9.1MP コーナリングABS 3マップ、RLM
全長/全幅：2,070mm/810mm
ホイールベース：1,452mm
シート高：837mm
車両重量：209Kg（燃料90％搭載時）
燃料タンク容量：17.9 L