
「303 FS」はパワフルな電動モペッド。米国デンバーに本拠をおくRistretto Electricが開発しています。

電動アシスト自転車が電動バイクに進化していく途上にあるような乗り物で、両方の“らしさ”を兼ね備えています。自転車用のパーツはかなり多く使われていますが、性能やルックスは本格的バイクに近づきつつあります。

外観はレトロバイクスタイルですが、それを再現しているのは今日のパーツ。例えばヘッドライトはLEDを採用していますが、形状は丸型にしてレトロ感を演出しています。ヘッドライトはハイビーム、ロービームの切り替えを可能にすることで、電動アシスト自転車のライトとは差別化を図りました。

リアではレトロな2本サスを採用し、伝統的なバイクのルックスを再現しています。サスペンションは前後ともにプリロード調整が可能。シートはレザーレットを採用することで、レトロバイクの雰囲気を出しています。

乗り心地もレトロなのでしょうか?

タイヤには4インチ幅のファットタイプを採用して、バイクらしい外観に近づけました。本体にはペダルが付属しますが、ライダーはペダルを漕ぐことなく走行し、最高速度64km/hに到達できます。


一方で、自転車らしい要素もあちこちに見られます。ドライブユニットは最高出力3,500Wを発生するミッドドライブモーター。これに、パナソニック製のバッテリーが組み合わされています。バッテリーは5-6時間で充電でき、フル充電で56-88kmの走行が可能になっています。


日本人にはお馴染みのデザイン
ドライブトレインではShimano製11速変速機が、制動系ではTRP製油圧式ディスクブレーキが採用されました。ShimanoもTRPも自転車乗りにはお馴染みのパーツメーカーです。


重さは約38kgと電動アシスト自転車としてはかなり重く、バイクとしては軽い仕様。バッテリー切れが発生したときにペダルを漕いで走るのは厳しそうですが、歩道を引いて歩くのはバイクよりは楽そうです。価格は3,920ドル(約43万円)から。出荷開始は2021年10月頃に予定されています。

ヴィンテージバイクの走行会や展示会に出掛けると、そのデザインにワクワクしてしまいますよね。1910年代から1950年代のバイクを目にすると、その時代に生まれていなかったことを悔やんだりします。
でも幸いなことに、電動バイクの黎明期は今!かなりポンコツなものから高い完成度を持っているものまで、様々なタイプを堪能できます。もしかしたら、現在はバイク好きには幸せな時代なのかもしれません。