長崎の酒造会社が“酒税免除”の高濃度アルコール「壱岐の華 アルコール62%」

長崎の酒造会社壱岐の華は、酒税免除で手指消毒に使える高濃度アルコール「壱岐の華 アルコール62%」の生産を開始した。医療機関や福祉施設からの受注も行っている。

新型コロナウイルス感染の拡大に伴う消毒液の不足が問題になるなか、厚労省は3月に「酒類製造業者が製造する高濃度エタノール製品を手指消毒用に使用して差し支えない」と通達し、全国の酒造会社で製造が始まった。


しかし消毒目的でも、酒造会社が製造する高濃度アルコール製品にはアルコール度数に応じた酒税がかかる。そのため免税の対応を求める声が上がっていた。

そこで国税庁は5月に「不可飲処置が施された高濃度アルコール製品」には酒税を課さないと通知。販売時に従来の高濃度スピリッツ製品と異なる「飲用不可」を表示したラベルが必要となるが、例えば壱岐の華の場合、スピリッツの6割程度の価格で供給が可能になる。対象となる「壱岐の華 アルコール62%」はアルコール分62度で内容量500ml。原材料は本格焼酎(壱岐焼酎)と香料で、販売料金 1本900円(消費税別、酒税免除)。

壱岐の華では医療、福祉関連施設など、飲用目的ではないとわかる取引先に酒税を含まない価格で供給すると案内を開始。すでに複数の医療機関から問い合わせを受けており、最初の免税品の出荷は5月11日を予定する。今後も「壱岐の華本社」あてに連絡を受けた医療機関や福祉施設へ直接供給する方式となる。一般向けの販売については、飲用目的の可能性もあるため、従来通り酒税を含んだ高濃度アルコールのスピリッツとして販売する。