地域に新型コロナ感染者がいるか?を下水処理場で検査する検査キット

英国クランフィールド大学の研究者が、下水を検査することでその地域の新型コロナウイルス感染状況を調べる検査キットの開発に取り組んでいます。

地域に新型コロナ感染者がいるか?を下水処理場で検査する検査キット
クランフィールド大学の研究者 新型コロナウイルス検査キット開発中

新型コロナウイルス感染症では、原因ウイルスSARS-CoV-2に感染していても発症せず、感染の自覚が無い人がいるとされています。このような無症状感染者が住む地域の人々は、自分が感染してしまうリスクが高いだけでなく、知らないうちに他地域の人々にウイルスを広めてしまう恐れがあります。


クランフィールド大学が開発しているのは、下水処理場で使用できる検査キット。下水中のSARS-CoV-2のバイオマーカーを検出することで、地域内に感染者がいるかを迅速に検査可能とします。同大学のZhugen Yang博士は、検査キットによりいち早く地域の感染状況を知ることができると述べます。

「新型コロナウイルスの感染状況を早い段階からモニタリングできるようになれば、効果的な介入を早期に実施し、その地域の住民の移動を制限して、ウイルスの拡散と周辺地域に住む人たちの健康への脅威を最小限にできます」

最新の研究では、新型コロナウイルス SARS-CoV-2は感染者の体内から排泄された後でも、最大で7日間生存するとされています。

同大学はすでに検査キットのプロトタイプを開発済み。現在は改善に向けた作業を進めており、完成すれば1英ポンド以下(133円)という低コストで、かつ専門家でなくても取り扱える検査キットになるとしています。