
Matthew Edwardsさんは2016年、熱中症により飼っていた犬を亡くしたという。これがきっかけで犬の熱中症について自分なりに研究し、それを予防するデバイスとして「Dawg Tag」を作ったそうだ。
Matthew Edwardsさんによれば、犬は深部体温が上昇するとはぁはぁと荒い息をし、外の涼しい空気を体内に入れて体温を下げようとする。その時、舌や気管の水分が蒸発して周囲から気化熱を奪うが、これもわずかだが体温を下げるのに貢献するという。

犬が体温を下げるメカニズム
だがもし、気温が犬の体温と同じかそれよりも高ければ、犬は体温を下げることはできない。湿度が高くて舌などの水分が蒸発しないと、状況はさらに悪化する。
「Dawg Tag」は、犬の深部体温と湿度をつねに計測するデバイス。センサーにより、犬の複数個所の体温を計測する。内蔵されたマイクロプロセッサーがそのデータをもとに、犬の深部体温を導き出すという仕組みを持っている。
犬用の体温計はすでにいくつか製品化されているが、多くはハーネス周辺の温度のみを計測するもの。Matthew Edwardsさんは、「Dawg Tag」は複数個所の体温を計測しているため、市販品よりも精度が高いと主張している。

「Dawg Tag」は湿度も検出。犬の深部体温と合わせ、本体のディスプレイに表示する。このとき、「Dawg Tag」は熱中症の危険度を総合的に判断し、数値の表示時に熱中症危険度を色分けして表示。例えば危険度が高まっているときには数値を赤で表示して、飼い主に注意を促す。

この状態になったら、犬を涼しい場所に移動させたり、水浴びをさせる必要がある。これにより、「ホットドッグ」が「クールドッグ」になるという。

サングラスで「クール」を表現している
Matthew Edwardsさんは現在、クラウドファンディングサイトでKickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では120ドルの出資で「Dawg Tag」を1個入手可能としている。残念ながら、日本への発送には対応していない。