
Qarnot Computingとは、CPUを熱源とするヒーターを開発、販売する企業。創業者でありCEOのPaul Benoit氏によれば、同社のシステムはすでに「パリ地区の6つのビルを、無料で暖めている」そうだ。


顧客はファイナンス業界や3Dアニメーション業界の企業。例えば、3Dアニメのレンダリングには膨大なCPUパワーが要求されるが、その際に発生する熱で企業のオフィス内を暖めているという。

今回発売される「Crypto Heater QC-1」は、3Dアニメのレンダリングではなく、仮想通貨のマイニング時に発生する熱で部屋を暖めるヒーター。内部には2枚のAMDグラフィックカード(Radeon RX 580 8G)が組み込まれており、これらが発する熱で部屋を暖める。「部屋を暖めることで、お金も稼げる」とQarnot Computingは主張している。

企業のオフィス向けではなく、一般の家庭向け。本体内部からは可動パーツ(ファンやHDD)などがすべて排除された無音設計となっている。このため、ベッドルームなどに設置しても、騒音に悩まされることはないという。
コネクタはAC電源用とRJ45 Ethernetのみのシンプルなデザイン。これらのコネクタに電源ケーブル、LANケーブルを接続。あとは、モバイルアプリかWebアプリで仮想通貨ウォレットのアドレスを入力すれば使用可能となる。Qarnot Computingはこれを「Plug-and-Mine(プラグアンドマイン)」システムと呼んでいる。

ところで、「Crypto Heater QC-1」を使用すれば、どの程度の仮想通貨をマイニングできるのだろうか?
Qarnot Computingによれば、1か月で100ユーロ(2018年3月5日時点のレートをもとに試算)のマイニングが可能だそうだ。なお、「Crypto Heater QC-1」が対応している仮想通貨は「Ethereum(イーサリアム)」「Zcash(ジーキャッシュ)」「Monero(モネロ)」の3種となっている。
Qarnot Computingは現在、同社公式Webサイトで「Crypto Heater QC-1」のプリオーダーを受け付け中。価格は2,900ユーロで、支払いにはクレジットカード、PayPal、銀行振り込みそしてBitcoinが使用できる。発送は6月頃を予定。現時点では日本への配送は受け付けていない。
