気象庁のイメージ

正月明けに首都圏などで流れた緊急地震速報。職場や家庭、交通機関で、いくつものスマートフォンが同時に鳴り響き、人々は騒然としたが、実際は震度を過大に予測していた。なぜこんなことが起きたのか、理由を気象庁が正式発表した。

気象庁が2018年1月5日11時2分ごろに関東地方や福島県に緊急地震速報(警報)を発表した。該当地域では、今日が仕事始めの人も多く、新年のあいさつも済ませ、いよいよ業務に本腰を入れようとした矢先に、突然スマートフォンから注意を引く音があふれ、驚きを引き起こした。


しかし身構えたあと、多くの場所では覚悟したほど激しい揺れは襲ってこなかった。まったく感じなかったという人もいたほどだ。緊急地震速報が震度を過大に予測していたのだ。

予測がずれた原因は、2つの地震を同一の地震として気象庁のシステムが処理したためだ。11時2分ごろに関東で起きた地震は、実際には茨城県沖を震源とするマグニチュード 4.4(速報値)のもので、県内の神栖市で震度3を観測した。しかし同じ時間に富山県西部を震源とするマグニチュード3.9(速報値)の地震が発生していたため、それぞれが別の揺れであるとうまく切り分けられなかった。

気象庁のイメージ
(左:茨城県沖が震源の地震、右:冨山県が震源の地震)

かくして茨城県沖の地震に富山県西部で発生した地震の振幅を用いたところ、「茨城県沖でマグニチュード6.4の地震が発生し、県南部では震度5強の揺れが起こる」というかなりずれた予測が出てしまった。気象庁は今後、詳細を調査し、改善に努めるとしている。