Chirpstoryのイメージ

Twitterの投稿をまとめて公開できるアプリケーション「Togetter」。開発者がTwitterから凍結(利用停止)処分にあい、過去1週間にわたって誰も新規ログインできなくなった。その原因の1つはTogetterの姉妹版「Chirpstory」の存在にあった。

日本ではあまり知られていないが、Twitterには以前から海外向けに最適化した姉妹版としてChirpstoryがあり、主にインドネシア語圏で人気だ。


インドネシアは有望な市場。人口約2億6,000万と日本のほぼ2倍で、東南アジア諸国連合(ASEAN)最大の経済規模があり、2030年には日本に次ぎ購買力平価(PPP)で世界5位のGDP規模に達するとの予測もある。

Chirpstoryは、インドネシア語圏を中心に100万人の利用者(UU)がいる。ちょっと驚く数値だが、全体の人口からするとまだまだこれから。とはいえ先のインドネシア大統領選挙では通常の約10倍に利用がふくらみ、社会に影響力を発揮するようになった。

今や現地の政府やメディアの関係者がChirpstoryを使ってTwitterの投稿をまとめており、情報流通の場として機能も果たす。最近iPhoneやAndroidスマートフォン向けアプリケーションが登場し、さらなる伸びも期待できる。日本発のアプリが海外で活躍する例としては興味深い。

だがこのChirpstoryが、日本のTogetterの凍結を1週間にわたって長引かせた。

実はTogetterとChirpstoryは、以前に同じ開発者を通じてそれぞれTwitterと連携し、管理していたのだが、これが「複数アプリを同一目的で作成することの禁止」という最近のTwitterの規則に違反する、として凍結のひきがねの1つになったもようだ。

開発者としては規則違反はしておらず、「誤認」だと訴えているが、そう簡単にTwitterが判断を変えると期待はできない。1週間あの手この手を試してうまくゆかず、とうとう苦肉の策でChirpstoryの側とTwitterの連携を断ち切って、Togetterだけを復活させるのに成功した。

Chirpstoryについては、あらためて別な経路からTwitterと連携させて復活させる考えだ。もっともうまくゆくかどうかはTwitter側の気持ち次第というところ。