「ポップアップガレージ」で洪水&駐車場不足に同時対策を
デンマーク企業Third Natureによる「ポップアップガレージ」概念図

ゲリラ豪雨や台風の発生頻度は高まる傾向にある。各都市は対策を講じているが、多くの場合、対策が必要とされるのは都市部。貯水池や貯水トンネルを作る場所は限られている。

デンマークの企業Third Natureの建築家たちは、そのような事態に備える新たな施設「ポップアップガレージ」を提案している。都市部に空きスペースを生み出し、周辺の住宅や商業施設への浸水リスクを低減するアイディアだ。


「ポップアップガレージ」は3つのセクションで構成されている。最上部の歩行者エリア、地下5階構造の駐車場エリア、そして最下部の貯水池エリアだ。通常駐車場エリアは貯水池エリア内にすっぽりと収まっており、地表にあるのは歩行者エリアのみ。この歩行者エリアは、公園などとして使うことが可能だ。

ポップアップガレージ」で洪水&駐車場不足に同時対策を
「ポップアップガレージ」通常時

だが豪雨や台風が発生した際には駐車場エリアが地上にせりあがる。駐車場エリアがあった空間がすべて貯水池として利用できるようになるので、多くの雨水を溜められ、周辺の浸水被害を防げるという仕組みだ。

ポップアップガレージ」で洪水&駐車場不足に同時対策を
「ポップアップガレージ」雨天時
駐車場が地下からせり上がり
空いたスペースが貯水池として機能している

地下の貯水エリアには、周囲からの雨が流れ込むだけでなく、たまった水を下水に流す設備も。水が引いたあとはこの設備で貯水池を空にし、駐車場を地下に戻す。地表は再び、歩行者のための緑地になる。

ポップアップガレージ」で洪水&駐車場不足に同時対策を
緑地運用イメージ

Third Natureは「ポップアップガレージ」により、現時点ではばらばらの場所に点在している緑地、駐車場、そして貯水池を一か所に集約でき、都市部の限られた土地を有効活用できると述べている。また、「ポップアップガレージ」の設置によって生まれた空きスペースに新たな施設を建設することで、街の魅力を高めることができるとしている。

ポップアップガレージ」で洪水&駐車場不足に同時対策を
「ポップアップガレージ」により、緑地、駐車場、貯水池を一か所に集約
より魅力的な都市作りが可能に

「ポップアップガレージ」は、浸水被害の発生しやすいメキシコシティ、リオデジャネイロ、そして東京で有効だとしている。

ポップアップガレージ」で洪水&駐車場不足に同時対策を
東京でも!