
Windowsスマートフォンの人気はいまひとつ。ハードウェアだけ見れば興味深い端末はあるし、Office 365ユーザーにはとても便利というメリットもあるが、それでもWindowsスマートフォン利用者は非常に限られている。
だが、WindowsスマートフォンのOSが「Windows 95」だったら、事態は違っていたのではないだろうか?ブラジル在住のデザイナーHenrique Perticarati氏はこの仮定のものとに、架空のスマートフォン「WinPhone 95」をデザインし、Behanceで発表した。

電話をかけるには、ダイヤラーで
「WinPhone 95」は、深夜に行列ができるほど人気の高かったOS「Windows 95」を、そのまま利用できる(という体の)スマートフォン。スクリーンにはWindows 10のようなタイルではなく、デスクトップ画面がそのまま表示されている。「コンピューターを外出先で利用し、どこにいても繋がっていたい」という1995年当時のPCユーザーの夢を体現化したようなスマートフォンだ。

人気の高かったWindws 95を搭載(したという体)
デスクトップには、インターネットエクスプローラーが表示されており、どこででもインターネットに接続できる。ミュージックプレイヤーやメディアプレイヤーもあるので、マルチメディアプレーヤーとして利用することも可能だ。

いまとなっては覚えている人も少ないかもしれないが、初期の携帯電話では、利用可能なメディアファイルフォーマットが限定されており、PCで変換するひと手間が必要だった。PCのように、多くのメディアフォーマットに対応していれば楽なのに、と思っていた人は多いが、Windows 95搭載であれば、その夢は簡単にかなってしまう。

エクスプローラーも利用できる。ファイル構造を把握し、自分でファイルの管理をしたい人には、これは便利だ。

これら様々なアプリケーションをコントロールするのは、トラックボール。昔ながらのUIでも、これなら楽にコントロールできる。

トラックボールなら楽勝!(という体)
マインスイーパーなどの懐かしいゲームも用意されている。

ポートとしては、プリンター接続に便利なシリアルコネクタやD-Subコネクタが装備された。

いまもあるのだろうか?
「WinPhone 95」は実現はほぼ不可能だ。だが見ていると不思議と胸が躍り、もしかしたらWindowsユーザーは、Windows PCをそのままの形でポケットに入れて持ち運びたかったのであって、スマートフォン向けのUIなど望んでいなかったのではと思えてしまう。こんな形でWindowsスマートフォンが登場していたら、今頃、市場を席捲していたのは、Windowsフォンだったかもしれない。

もちろん、不満もある。往年のPC/PDAユーザーとしては「WinPhone 95」にもキーボードが欲しい。それさえあれば、ぜひ買いたい。販売されることはないけれど。