パンクのない、メンテフリーなエアレスタイヤ「noair(ノアイア)」

東洋ゴムはエアレスコンセプトタイヤ「noair(ノアイア)」を開発した。EVなどによるカーシェアリングの増加に対応し、パンクのない、メンテナンスフリーなタイヤを目指す。

パンクのない、メンテフリーなエアレスタイヤ「noair(ノアイア)」
東洋ゴムのエアレスコンセプトタイヤ「noair(ノアイア)」

「noair」は、タイヤの基本概念を根本から見直して開発されたもの。空気充填を不要としつつ、“荷重を支え、路面からの衝撃を和らげる”というタイヤの基本性能を維持している。


その特徴は、内心側に採用された高剛性の特殊な樹脂のスポーク。これがタイヤの基本構造を構成し、荷重を支持する力を確保している。一方、路面に接するトレッド部分にはゴム部材を使用。「走る、曲がる、止まる」というタイヤの基本性能を成立させた。

スポークとトレッドゴムの間にはカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)を配して補強。この工夫により、スポークにかかる荷重を低減している。

東洋ゴムでは2006年からエアレスタイヤを研究。2012年には試作モデルも公開している。この試作モデルでは「楕円形のスポーク構造」によって、荷重を支持していた。だが今回発表された「noair」では、タイヤ幅の奥側と手前側を交互に交差させる「X字型スポーク構造」に変更。耐久力を向上させた。

パンクのない、メンテフリーなエアレスタイヤ「noair(ノアイア)」

また、スポーク本数を過去モデルより倍増(100ピッチ)したことで接地圧を分散させ、接地時に発生するスポークによる打撃音を緩和。これまで以上の静粛性を実現している。

東洋ゴムによる実車走行フィーリングテストでは、「noair」は車内音と乗り心地において課題が残るものの、操縦安定性や車外騒音に飛躍的な改善が確認されたという。また、過半の指標において、同社の空気入りタイヤに近づく進化がなされたとしている。