ソニーのテレビイメージ

国立科学博物館(科博)は、2008年から登録を進めている「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に、新たにソニーのハイビジョンテレビ「トリニトロン」などを追加した。

未来技術遺産とは、科学技術の発達史上重要な成果で、次世代に継承していく意義を持つ、あるいは日本国民の生活、経済、社会、文化にいちじるしい影響を与えた、と科博が見なした発明・製品など。

これまで225件を登録したが、2017年は新たに15件が加わり、合計240件になった。

その1つであるトリニトロンは、正式には「36型HD(ハイビジョン)トリニトロンカラーテレビ KW-3600HD」という名前になる。

ソニーが開発したアナログ方式の製品だ。背景にあるのは1964年の東京オリンピック後にNHKで始まった新たなテレビ方式の研究で、その成果は走査線数1,125本、アスペクト比5:3(後に16:9)の暫定規格に結び付いた。高品位テレビ方式の実現には、伝送方式と大画面ディスプレイが必須として、1980年代後半に日本独自のMUSE方式が登場。世界初の高品位テレビ(ハイビジョン)の実験放送が日本で始まった。

トリニトロンは民生用として重要な高輝度で、36型という大画面の高精細CRTと、MUSEデコーダー接続端子を装備し、まだハイビジョンが定時実験放送中だった1990年に発売となった。アナログ方式はその後デジタル方式に移行するが、この製品は高精細テレビ放送の将来性を実証したもので、ハイビジョン普及の先駆けとして重要と科博は評価する。

今回はほかにも人型ロボット「HRP-2 PROMET(プロメテ)」、「三六式無線電信機」、カラーネガフィルム「フジカラーREALA」、「NE 式携帯用写真電送装置」、「旧小野田セメント製造株式会社竪窯」、「上下反転自由プラウ」などが未来技術遺産になった。