街を歩いていると、「撮影して友達に見せたい!」と思う光景に出くわすことがある。例えば高円寺を歩いていると、前方から全身タイツの二人組がすごいスピードで走ってきた、なんてときだ。でもそんなとき、カバンからスマートフォンを取り出していたのでは間に合わない。カメラアプリを起動したころには、全タイの二人組はすでに、はるか遠くに走り去った後だったりする。
そんなときに便利なのが「Arrow」。米国ロサンゼルスにニューヨークに本拠を置くArrow Smartwatchが開発した。
SNS時代に対応
SNS時代対応したビデオカメラで、画質よりも撮影のしやすさにフォーカスしている。普段はアナログ時計として現在時刻を表示しているが、赤ボタンをプッシュするとカメラモードとなり、写真や動画を撮影できるようになる。
例えばジョギング中に興味深い被写体を見つけたとしよう。「Arrow」利用者は左手を被写体に向け、ボタンをプッシュするだけで写真や動画を撮影できる。友達に見せたい、決定的なシャッターチャンスを逃すことは、これまでよりずっと少なくなるだろう。
本体内部には8GBのストレージが搭載されており、写真や動画を保存できる。iOS/Android OS上で動作するアプリが用意されているので、スマートフォンとの連携も容易だ。「Arrow」で撮影した写真や動画を、すぐにSNSでシェアできる。
カメラは5MP
「Arrow」のカメラの特徴は、レンズがベゼル上を360度クルクルと移動できること。腕時計型カメラはときに、手を被写体に向けた不自然なポーズでの撮影を強いることがある。でも、「Arrow」であれば、レンズが移動するので、たとえばセルフィーフォトも簡単に撮影できるようになった。
「Arrow」には、一般的なスマートウォッチとしての機能も搭載されている。スマートフォンと連携してSNSなどの通知を表示したり、ナビとして使用することももちろん可能だ。内部で稼働しているのはAndroid 5.1ベースのOS。スマートフォン操作に慣れている人であれば、「Arrow」の操作にもすぐに慣れるだろう。
(画像は自転車用のナビとして「Arrow」を使用している例)
Arrow Smartwatchは現在、クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、149ドルの出資プラス送料でシリコンベルト版の「Arrow」を一つ入手可能だ。出荷は2018年2月に用意されている。
スマートウォッチがいまいとつ普及しない理由として、利用者がスマートフォンで頻繁に利用する機能がスマートウォッチにはない、ということがあげられる。スマートフォンに求められているのは「ゲーム」「カメラ」そして「SNS」だが、スマートウォッチはこれらに対応する機能を備えていないか、不十分だ。
「Arrow」はスマートフォンよりもシャッターチャンスを逃しにくいカメラと、SNSへの連携機能を持っている。人々が求めていたのは、こういう製品だったのかもしれない。