島根県立美術館の夕日

閉館時刻が「17時」や「18時」などではなく、「日没の30分後」という不思議な美術館がある。理由は美術館から見える夕日があまりに美しいから。そんな話題が今夏、Twitter上で広がった。

この施設は実在する島根県立美術館。2009年にミシュランが発行した旅行ガイド 「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で星1つを獲得している。ここからから望む宍道湖の夕日は「日本の夕陽百選」が選ばれており、ゆっくりと観賞できるよう、3月から9月は日没後30分まで開館している。


美術館に詳しく話を聞くと、この取り組みは1999年の開館当初から、ずっと続けてきたもの。3月~9月の閉館時刻を日没後30分にしているだけでなく、それ以外の10月~2月の閉館時刻も比較的遅めの18時30分に設定している。

来館者の反応はどうかと尋ねたところ、全国でも珍しい取り組みとあって問い合わせが多く、遠方からわざわざ夕日を鑑賞するために訪れる人もいる。特に天気の良い夕暮れどきは、湖岸をはじめ、湖が一望できるロビー、展望テラスにたくさんの人が集まるそう。

エントランスから見た夕日

館外から見た夕日

美術館の中から見る夕日、外から見る夕日、それぞれ異なる黄昏の風景を目にできるためだ。