画期的なMTB用のサスペンション、Structure Cycleworksの「SCW 1」

MTBは最新のテクノロジーを満載し、より困難なトレイルをより高速で走りたいというMTBライダーの要求に応えてきた。だが、フロントサスペンションにはいまもテレスコピックタイプが多くのMTBで採用され続けている。

カナダカルガリーに本拠をおくStructure Cycleworksは「SCW 1」を発表した。従来型サスペンションの問題点を解消する可能性を秘めた、新しいサスペンションシステム。


画期的なMTB用のサスペンション、Structure Cycleworksの「SCW 1」

従来のサスペンションでは、バネなどが縮んだ状態では、ハンドル操作などが不安定になりがち。またテレスコープ構造が上下する際の摩擦も存在している。

「SCW 1」のリンケージサスペンションは、最も縮んだ状態でもっとも安定する。Structure Cycleworksはこのサスペンションを「オンデマンド安定性」を持つ構造と呼んでいる。MTBライダーが安定性を最も求めているときにそれを提供できるためだ。

摩擦は、従来のサスペンションがショックアブソーバーでありながら、自転車の構造要素でもあることに原因がある。Structure Cycleworksでは、「SCW 1」に構造要素を持たせず、ショックアブソーバーとしての機能のみを与え、摩擦の問題から解放した。

画期的なMTB用のサスペンション、Structure Cycleworksの「SCW 1」

Structure Cycleworksはすでに「SCW 1」を組み込んだプロトタイプフレームを開発している。このプロトタイプの重量は完成車で13.6キロを実現。「SCW 1」を搭載したMTBが、サスペンション性能だけでなく、重さの面でも従来型サスペンションを搭載したMTBと競合しうることを示している。

画期的なMTB用のサスペンション、Structure Cycleworksの「SCW 1」

「SCW 1」を組み込んだ完成車の価格は1万3,000ドルから。出荷時期は2018年の夏に予定されている。