スマートフォンと高齢者の手

米国では65歳以上の3分の2がインターネットを利用しており、4割の人がスマートフォンを所有しているそう。

著名な調査機関であるPew Research Centerが5月に発表して話題になったもの。調査時期は2016年9月29日―11月6日。電話による調査を実施し、3,015人から回答を集めて分析した。

2000年には65歳以上でネットを利用している人は12%に過ぎなかったが、2016年時点では67%まで拡大している。

また65歳以上のスマートフォンの所有率は2011年には11%に過ぎなかったものが、42%まで増えている。家庭にブロードバンド回線を引いている高齢者も、2016年には初めて過半数(51%)に達している。SNS利用率は2008年には2%だったが、2016年には34%に拡大した。

ピューリサーチセンターの資料

Pew Research Centerは成人全体に比べるといずれも利用率が低いとして「多くの高齢者はいまだデジタル革命から切り離されている」と指摘するが、しかし驚くべき数値だ。

65歳以上の58%は、技術が社会によい影響を及ぼしていると考え、ネットを利用する層では約4分の3が日常的にオンラインになっているという。

ただひとくちに「65歳以上」「高齢者」とくくるのではなく、内訳を見ていくと色々な違いがある。例えば65~69歳はネット利用率が82%に達するが、80歳以上では44%。スマートフォンの所有率は65~69歳が59%に対し、80歳以上では17%と差が顕著だ。ブロードバンド導入率も66%と28%で大きな違いがある。

ところでなぜ米国で高齢者のネット利用が注目を浴びるのだろうか。実は米国もまた高齢化が進んでいるためだ。Pew Research Centerによると、2017年時点で米国は65歳以上が4,600万人にのぼり、人口の15%を占める。米国勢調査局の予測によると、この割合は2050年までに22%まで拡大する。

2016年時点ですでに65歳以上が人口の27%を占める日本ほどではないが、移民の多い米国でもほかの先進国と同様の社会構造の変化が起きているようだ。

さて先進国の選挙などで有権者の少なからぬ割合を高齢者が占め、大きな影響力を持つ「シルバーデモクラシー」が話題になっているが、ネット上でも高齢者の割合がより高まってゆくと、文化や方向性はどのように変わっていくだろうか。