
クルマから自転車に通勤手段を変更した人がとまどうのが、後から取り付けなければならないアクセサリー類の多さ。クルマであればヘッドライトもウィンカーも、場合によってはナビシステムも最初から付いているが、自転車では個別に購入して自分で取り付けなければならない。しかも、これらのパーツの多くは、走行ごとに取り外して個別に充電しなければならないのだ。
欧米ではそんな手間を省いてくれる“全部入り”の自転車の人気が高まりつつある。「Flash」も、そんな自転車のひとつ。全部入りでありながら、驚きの低価格が魅力だ。

「Flash」には、最初からフロント/リアライトが付属している。フレームに内蔵されたバッテリーから給電されるので、走行毎にライトを取り外して充電…といった手間を省いてくれる。リアライトはブレーキライトもかねているほか、ウィンカーも組み込まれており、右/左折時の安全性をより高めている。そのほか、85デシベルの電子ホーンも搭載された。



トップチューブには1.54インチサイズのタッチパネルを搭載。走行速度やバッテリー残量、アシストレベルなどを表示する。スマートフォンと連携することで、ターンバイターンでのナビゲーションも提供可能だ。

ナビゲーション機能も提供
その他、タッチパネルでは自転車をロック/アンロックすることも。操作はPINを入れるタイプなので、キーレスでの運用が可能となる。

モーターはリアハブタイプ。最高速度45キロでの走行が可能だ。バッテリーはフレームに内蔵されており、フル充電で約80キロの走行が可能となる。

開発したのは米国のFlash。同社は現在、「Flash」の販促キャンペーンを兼ねてクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では1,199ドルの出資プラス送料で「Flash」を1台提供するとしている。これは電動アシスト自転車でしかも全部入りということを考えると、驚異的な低価格と言ってよいだろう。

安い!
「Flash」には電動アシストモードのほか、スロットルを操作するだけで漕がなくても走行できる電動バイクモードが装備されている。また、モーターは500Wの高出力なので、日本では電動アシスト自転車としては認められない。このため「Flash」は当面、米国のみでの販売となるという。インターネットコムではFlashに対し、日本版を製造して日本市場に参入する予定はないのか問い合わせをしているが、本稿掲載時までに回答を得ることはできなかった。
仕様を日本向けに変更すれば、「Flash」を含む全部入り自転車は日本でも需要がありそうな気がする。通勤手段をクルマから自転車に変更したいという人は、日本にもそれなりに存在しそうだ。なにしろパリ協定から離脱する米国にも、クルマから自転車に乗り換える人がたくさん存在するのだから。
