
英米ではテロリスト対策のため、ノートPCなどを手荷物として航空機内に持ち込むのを禁止する通称「Laptop ban(ラップトップバン)」という動きがある。特にギーク(技術好き)のあいだでどう対策するかが話題になっている。
技術の進歩は、暴力の分野にも恩恵をもたらす。今日ではノートPCやタブレット、デジタルカメラなどの中にしこめる高性能な爆弾が登場し、かつテロリストが入手しやすくなっているという。X線検査などで見つかりにくいのが利点だ。
英米ではすでに中東の一部の国との直行便で、ラップトップバンを始めている。対象となる製品は、一般のスマートフォンに当てはまらない一定以上の大きさの電子機器。例えば英国では16×9.3×1.5cm以上の製品としている。
空港のカウンターで預ける必要があり、機内では使えず、航空機を降りてから受け取ることになる。
最近、米国があらゆる国際線にラップトップバンを拡大すると情報があり、さらに適用範囲が広がるのではないかとの憶測もある。ほかの国が英米にならったり、国内線でも同様の措置をとる可能性もうわさになっている。
一方ラップトップバンにひっかからずフライト中に作業をしたりゲームで遊んだりする方法を考えようという声も出ている。中東の航空会社では安全検査を済ませたノートPCのレンタルサービスを用意するところもあるが、やはり手持ちの慣れた機器を使いたいのが人情。
まずスマートフォンは対象外なので、それにBluetoothキーボードを組み合わせるという手を思いつく。「WIZO Ultrathin Wireless Keyboard」などが候補として上がっている。該当製品はサイズが13×7.5×1cmで、なるほど問題ない。

「Google Cardboard」といった仮想現実(VR)ゴーグルを使う手もある。ラップトップバンの対象になるサイズではないかと心配になるかもしれないが、これらはレンズなどを搭載しているだけで電源を内蔵せず、スマートフォンをはめ込んで初めて使えるので、問題ない。仮想の大画面を確保できる。

ほかにも機内エンターテイメントシステムを備えている便であれば、そのディスプレイにWindows Phoneを接続するとか、昔ながらのペンとノートで書類をしたためてかたっぱしからスマートフォンのカメラで取り込むなど、さまざまに知恵をしぼっている。

実現性が低い着想もあるが、あれこれ考えるだけで楽しいのかもしれない。実際はスマートフォンさえ使えればそこまで不自由がない、という人が大多数だろうか。