偽のAmazon.co.jp
Amazon.co.jpの偽サイトに誘導する迷惑メールが届いたのだが…

人々をだまそうとする迷惑メールは日々進歩を続け、巧妙になっている。そのはずだが、中にはひどすぎるほど粗雑な内容もあり、笑ったらよいのか腹を立てたらよいのか分からなくなる。

3月28日に届いた1通の迷惑メールは、差出人こそ「Amazon-Jp」を名乗っているが、件名が「アカウント閉まっている」だ。「Account Suspended」といった英文を直訳したのだろうか。何となく伝えたい意味は想像できなくもないが、正直日本語になっていない。続く本文もほぼ支離滅裂だ。


アカウント 閉まっている

残念ながら、あなたのAmazon-Jpアカウントは無効になります。

これは、さまざまな理由で発生します。たとえば、日本国外のユーザーがあなたのアカウントに接続している場合。

日時: 行進 06, 2017,

国: 七面鳥

オペレーティング・システム: Windows

あなたが最近Amazon-jpアカウントにサインインしておらず、誰かがアクセスした可能性があると思われる場。

ここであなたの情報を更新してください。

https://amazon.com/

リンクをクリックできない場合は、下記のアドレスをコピーしてブラウザに貼り付けてください:

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

宜しくお願いします、
以上の文面、強調は記者によるもの。 いくつかある奇妙な個所のうち「日時」の横に記載している「行進」は3月(March)、「国」の横の「七面鳥」はトルコ(Turkey)の訳し間違えだろう。

最近はGoogle翻訳などの多言語翻訳アプリケーションが人工知能(AI)技術を採用して精度を高め、言葉の壁が低くなった結果、迷惑メールをばらまくサイバー犯罪者にとって国をまたいだ悪事がしやすくなったとも言うのに、ひどすぎる品質ではないだろうか。

一体何年前の翻訳アプリを使っているのか、あるいは脱力させ警戒心を解こうという魂胆なのかと勘繰りたくなる。

「下記のアドレスをコピーしてブラウザに貼り付けてください」と注記しながら実際には何も記載していないのも、もはや目くじらを立てる気にもなれない。結びだけはビジネス向けの定型文風だが、句点ではなく読点で終えている絶妙ないい加減さだ。

ちなみにくだんの迷惑メール、ヘッダーを確かめると、ドイツ系米国企業のサーバーを介して送信している。また記載のURL「https://amazon.com/」を開こうとすると、Amazon.co.jpの偽サイトに移動する仕掛けが施してあるが、そちらはロシア企業のサーバーに設置してあり、デザインは一見すると本物と紛うできばえながらURLは「amzoroy」という微妙にズレたものになっている。