ARM版Windows 10を搭載した8インチスクリーンのUMPC「KS-PRO」

Microsoftは昨年12月、Qualcommと技術提携し、ARM版のWindows 10をリリースすると発表した。このWindows 10は以前のWindows RTとは違い、32bit版のWindowsアプリ、例えばPhotoshopなどが動作するとされている。

ARM版Windows 10を搭載した8インチスクリーンのUMPC「KS-PRO」
昨年Microsoftが行ったARM版Windows 10のデモより
Photoshopが動作しているのがわかる

「KS-PRO」は、QualcommチップとARM版のWindows 10を採用した8インチサイズのUMPC。英国ロンドンのスタートアップ企業Khiron-Sigma(以下、KΣ)が開発した。


ARM版Windows 10を搭載した8インチスクリーンのUMPC「KS-PRO」
QualcommチップとARM版Windows 10を採用した
8インチサイズのUMPC「KS-PRO」

「持ち運べる職場」がキャッチフレーズ。サイズは幅15センチ、高さ24.6センチで、重さは640グラム。ポケットに入れて持ち歩くにはちょっと厳しいが、カバンに入れて持ち歩くにはちょうど良いサイズだろう。4G LTEに対応しているため、サービスエリア内であればどこでもネットワークに接続し、Microsoft OfficeやPhotoshopなどを使って仕事ができる。Wi-FiやBluetoothも、もちろんサポートする。

ARM版Windows 10を搭載した8インチスクリーンのUMPC「KS-PRO」
Windows搭載UMPC/PDAの多くはWi-Fiオンリー
だが「KS-PRO」では4G LTE対応に対応している

KΣの最高製品責任者であるAdnan Jamil-Mirさんは、タブレットの台頭により、大手PCメーカーから最新技術を搭載したUMPCが発売されなくなったことを嘆いている。だが、キーボードが付属し、Photoshopなどのパワフルなアプリが動作し、柔軟なファイル管理が可能なUMPCを必要としている人は存在しているはずと考え、「KS-PRO」の開発を思い立ったと述べている。

スペックは、CPUにQualcomm Snapdragon 835、GPUにAdeno 540を採用。RAM容量は8GBと、Windows 10を稼働させるのに十分なもの。ストレージは128GBとなっている。

ARM版Windows 10を搭載した8インチスクリーンのUMPC「KS-PRO」
バッテリーの持続可能時間は12時間

ポートとしてはUSB Type Cx2、USB 3.1x1、Micro SDカードスロットが用意された。これらもWindows PC対応の周辺機器を接続し、仕事をこなすのには便利なものだ。

気になるのは技適取得の有無。インターネットコムでは、この件に付きKΣに確認したところ、次の回答を得た。

「技適は取得する予定だ。この製品は日本市場向けにもデザインされており、日本向けキーボード版も提供する」

KΣは現在、「KS-PRO」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、600ドルの出資+配送料で、日本向け108キーボードが搭載された「KS-PRO」の日本語エディションを1台入手可能だ。この日本語エディションには、モバイルバッテリー付きのケースも付属するという。出荷は2018年1月を予定している。

ARM版Windows 10を搭載した8インチスクリーンのUMPC「KS-PRO」
このカタチを見ると、買いたくなるのはなぜ?

気になるのは、Microsoftが約束通りのタイミングでARM版Windowsをリリースできるかどうか、現時点では不確定ということだろう。ARM版Windowsのリリースが遅れれば、「KS-PRO」の出荷も遅れることになる。購入されたい方は、これに加え、クラウドファンディング特有のリスクを十分考慮する必要がある。

ARM版Windows 10を搭載した8インチスクリーンのUMPC「KS-PRO」

未だ公表されていないが、KΣは「KS-PRO」のAndorid版も準備しているという。価格は450ドルを予定している。