SkypeとDiscordのロゴ
SkypeからDiscordへ乗り換えが進む?

無料通話アプリケーションとして名高い「Skype」だが、最近は同種の「Discord」へ乗り換えようという動きも広まっている。Discordの公式サイトでもSkypeを使っている人を取り込もうと意気軒高だ。

Discordの公式サイト
「SkypeとTeamSpeakを捨てるときだ!」と強気

通話アプリの比較表
お約束の比較表。並んでいるアプリからして、PCでゲームを遊ぶ人が対象だ

星の数ほどある通話アプリ。LINEやFacebookメッセンジャーも通話機能を備えているのになぜまたDiscordが一部で人気なのかといえば、ひとつには匿名で手軽に参加でき、日常の人間関係と切り離したところで、趣味の合う仲間と気楽におしゃべりができる点。いまひとつは、ゲームを遊びながら使うために特化した作りになっている点だ。


従来そうしたアプリを望む人の受け皿はSkypeなどだったが、用途を絞り、より使い勝手を工夫したDiscordが存在感を増しているもよう。日本でも主にゲーム関連のニュースサイトが2016年ごろからよく報道するようになり、認知度も高まっている。

PCに加えiPhone、Androidスマートフォンに対応したアプリがあり、いずれも無料で利用できる。Webブラウザーからも使える。

メールアドレスだけで簡単に登録でき、大量の個人情報を入力する手間はない。もちろん電話番号を教えなくても構わない。

登録画面のスクリーンショット
メールアドレスだけで始められる

操作画面の説明書きなどの多くはすでに日本語に対応しているが、言葉使いはちょっと風変わりだ。

日本語のスクリーンショット
日本語に対応しているが、妙に気さくな雰囲気だ

アプリを入れたら「サーバー」を作成し、そのリンクをTwitterやFacebook、メールなどで知り合いに送れば、すぐチャットや多人数通話を行える。遊んでいるゲームの種類などによって複数のチャットや会話を分け、すばやく切り替えることが可能。

またチャットでは「@」マークのあとに注意を引きたい相手のIDを入れて発言を投稿すると通知を送れるなどTwitter風。自分や友達を過去にさかのぼって検索できるのも便利だ。日本での広がり方からして、今後はゲームに限らないさまざまな分野で活用が進みそうだ。

操作画面のスクリーンショット
Skype+Twitterといったおもむき

ちなみに開発元は米国Hammer&Chisel。2015年にできた企業で、まだ聞きなれない人もいるかもしれない。立ち上げたのはJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏。かつて、さまざまなゲームにSNS機能を付加できる基盤として注目を浴びながら、日本のGREE(グリー)が買収して終了した「OpenFeint」の創業者だった人物。

Discord人気のおかげか、Hammer&Chiselは伸び盛りのようすで、公式サイトでは大量の新規採用をかけている。今後どのような収益モデルに力を入れてアプリを持続させていくつもりなのかも興味深いところ。