TRAPPIST-1星系の擬人化イラスト
TRAPPIST-1星系の擬人化イラスト(画像提供:ひょうはく剤丸氏)

米国航空宇宙局(NASA)は太陽系の外で、地球に似た特徴を持つ7つの惑星を見つけたと発表した。「地球の7つの姉妹」と呼び名がついたことで、さっそく日本では擬人化の動きが盛り上がっている。

ひょうはく剤丸(@ninnjinringo)氏がTwitterに投稿した美しいイラストはその1つ。太陽系から約40光年の距離にある、恒星系「TRAPPIST-1」の星々を、かわいらしくも神秘の気配をただよわせた女性の姿に描いている。



画面向かって左端にあるのはTRAPPIST-1の恒星。その右に連なるのは地球とよく似た惑星7つ。右上には、比較の対象として地球も描いてある。

NASAの公開したイラストから想像力を膨らませたような、すばらしい一枚で、ロマンあふれる科学の新発見をことほぐものといえる。

TRAPPIST-1のイメージ
NASAが公開したTRAPPIST-1星系のイメージイラスト

かつて地球のような大きさや重さで、固い地面を持つ惑星は、太陽系の外にはあまり存在しないのではないかと悲観論があった。だが長年の観測によって、実はかなり数多く、銀河のあちこちに散らばっている可能性が明らかになってきた。

また我々に似た仕組みを持つ生命が存在するために必要な「水」がある惑星も、必ずしも珍しくないかもしれない、つまり宇宙は生命で満ちているのではないか、という大胆な仮説も、以前より力強く唱えられるようになっている。

NASAによるTRAPPIST-1の発表はそうした楽観論をさらに後押しする。1つの恒星のまわりを、地球によく似た、しかも水のある惑星が複数めぐっている、かもしれないというのだから。

TRAPPIST-1の惑星イメージ
こちらもNASAのイラスト。TRAPPIST-1星系の惑星には水が存在する可能性がある

しかも40光年という距離は、直径が約10万光年ある銀河の規模からすれば「ご近所」といえる。もちろん21世紀の科学技術で人類が到達するのは難しいが、将来は分からない。

「地球の7つの姉妹」を微笑を浮かべた女性の姿で描いた擬人化イラストを眺めていると、広大な宇宙で同胞を見つけられるかもしれない、孤独ではないかもしれないという希望が心のうちに沸き起こって来るようだ。