ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」の、Indiegogoでの資金調達プロジェクトがついに開始された。入手に必要な出資額は399ドルと、想定よりも低く設定されている。また、2017年末ごろとうわさされていた出荷時期は、6月を目指していることが明らかになった。これらが実現すれば、UMPC愛好者にはうれしいニュースとなるだろう。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」、資金調達プロジェクト開始

「GPD Pocket」は、昨年春に発表されたWindows 10搭載ゲームコンソール「GPD Win」がベース。この製品のキーボードをタッチタイプできそうなものに変え、スクリーンを5.5から7インチにサイズアップしたものだ。その他、メモリーは4GBから8GBへ、ストレージ容量は64GBから128GBへと拡張されている。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
参考画像:「GPD Pocket」(左)と、「GPD Win」(右)
「GPD Pocket」のキートップサイズが大きいのがよくわかる

ベースとなった「GPD Win」の性能はすでに実証済み。CPUとして搭載されたCherry Trail Z8700は、使い道にもよるがWindows 10をそれほどストレスなく動作させてくれる。4GBのメモリーと、64GBのストレージも必要十分なサイズだ。安価なWindowsタブレットの中には、1GBのメモリーと16GBのストレージといった構成のものもあるが、1GBメモリーではアプリは頻繁に落ちるし、16GBのストレージはWindows Updateのたびにひと手間かける必要がでてくる。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
「GPD Win」では、Windows 10がそれなりに動作する

だが、「GPD Win」のスペックならこのような問題は発生しない。初期設定(これだけは、それなりに大変なことが多いが…)さえクリアしてしまえば、オフィスを使った業務文書の作成・編集などは、さくさくとこなせてしまうのだ。

「いまどき、iPhoneやAndroidスマートフォンでも、同じことはできるのでは?」

そう思う人も多いだろう。それはたしかにそうなのだが、Windowsには、長年に渡り蓄積されてきた莫大な数のフリーウェア&シェアウェア資産があることを忘れてはいけない。それらのほとんどは「GPD Win」上でも動作する。フリーウェア&シェアウェアをうまく組み合わせて様々な作業をこなしてきた人には、これは大きなメリットだ。

そしてこれらのメリットは、そのまま「GPD Pocket」にも引き継がれている。ポケットに入り、キーボードを備え、Officeソフトを実行でき、フリーウェア&シェアウェア資産を活かせるWindows 10 PC。それが「GPD Pocket」だ。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
Windows用のフリーウェア&シェアウェア資産は、
あやしいものも含めて、莫大な数にのぼる

さて、ところで、開発元のGPD Technologiesは、「GPD Pocket」の販売ターゲットをどこに置いているのだろうか?Indiegogoプロジェクトページには次のようにある。

「GPD Winのクラウドファンディングに参加したユーザーの多くは、GPD Winのキーボードに満足しなかった。《中略》満足していないユーザーには、ファッショナブルな女性、ギーク、そして軽くて小さなデバイスを求めるビジネスパーソンなどが存在した。彼らの多くは、MacBook AirやiPadを愛用している。我々はこういったユーザーにぴったりの製品を提供することにした。GPD PocketはMacBookAirやiPadの代わりに、利用者に新しい体験を提供するだろう」

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
「GPD Pocket」のターゲットは、MacBook Airのユーザー

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ファッショナブルな女性や

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ギーク、そして軽くて小さなデバイスを求めるビジネスパーソンなど

GPD Technologiesは、MacBook AirとGPD Pocketの比較対象表を公開している。これを見れば、メモリー(8GB)やストレージ(128GB)の容量、バッテリーの持続時間(12時間)などでMacBook Airを強く意識していることが見てとれる。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」

サイズはMacBookやSurfaceよりもずっと小さいが、機能は同レベルのものを提供できる。これが「GPD Pocket」の強みであると、開発元は述べている。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
サイズは小さいが、機能は同レベル?

仕様をもう少し細かく見ていくと、サイズは180×106×18.5ミリで重さは480グラム。MacBook Airよりも厚みはあるものの、縦横のサイズは小さく、重さも半分以下となっている。このサイズはポケットに入れて持ち運ぶことを想定したもの。MacBookやSurfaceのように、ビジネスバッグに入れてではなく、もっと手軽にノートPCを持ち運んでもらいたいという思いから生まれた仕様だそうだ。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
サイズは180×106×18.5ミリで重さは480グラム

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
ポケットに入れての持ち運びを想定したサイズ

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
MacBookやSurfaceよりも、手軽にノートPCを持ち運べる

コネクタ類に目をやれば、「GPD Win」ほどではないがそれなりに豊富であることがわかる。本体の右側には、Type C、microHDMI、USB3.0の各ポートが装備された。USBポートは、USBメモリーや有線マウス、プリンターやネットワークケーブルへの接続に使用できる。このように、いまもオフィス内に多く存在しているPC向け周辺機器に簡単に接続できるのは、iOSやAndroidデバイスに対するWindowsデバイスのメリットだ。microHDMIは、出先で大型テレビモニターやプロジェクターに出力し、プレゼンをする際にも便利だろう。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
左から、Type C、microHDMI、USB3.0ポート

micro USBスロットなど、「GPD Win」にはあったが「GPD Pocket」にはないポート類に関しては、オプションでType Cハブを提供してカバーする。このハブを接続すれば、USB2.0ポートx2、MicroSDスロットx1、Micro USBポートx1、SDカードスロットx1が使用可能となる。

microHDMIは、出先で大型テレビモニターやプロジェクターに出力し、プレゼンをする際にも便利だろう。
ここまでMacBookを意識する必要は、ないような気もする

OSとしては、Windows 10以外にUbuntuも選べる。GPD Technologiesは、ソフトウェア開発者はこちらを選択すれば、カフェなどでのソフトウェア開発も可能になるとしている。

microHDMIは、出先で大型テレビモニターやプロジェクターに出力し、プレゼンをする際にも便利だろう。
そういえば最近、Ubuntu使ってない…。

GPD Technologiesは現在、クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施中。本稿執筆時点では、399ドルの出資でWindows 10版またはUbuntu版の
「GPD Pocket」を1台入手可能だ。Type Cハブ付きの製品は409ドルに設定されている。出荷は2017年6月を目指している。

ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」
さて、MacBook Airキラーになれるか?

キャンペーン終了後の市販価格は599ドルになる予定。だが、Indiegogoでの価格が330ドルだった「GPD Win」は、現在はGearbestなどでは330~360ドル程度で販売されている。GPD Pocketの細部の詰めなどが気になるという人は、販売が開始されてから手を出しても良いかもしれない。

…と、そんなことを書いてはいるが、筆者はすでに出資済みだ。2月の次が3月ではなく、6月なら良いのに…などと思いつつ、出荷を待っている。

MacBook Air/Surfaceの代わりはこれ?…ポケットに入るWindows 10 PC「GPD Pocket」