チッキンアタックのキャプチャ画像
「鶏攻撃の術」その恐るべき真相とは

YouTubeでは次から次へと謎の動画が公開になり、人気を博するが「Chicken Attack」もその1つ。乱暴狼藉(ろうぜき)をはたらくニンジャを、ヨーデル歌手が不思議なニワトリの力でこらしめる、なんだか変てこな内容だ。


動画では、どこかの日本屋敷から盗みをはたらいて走り去ろうとする黒装束のニンジャの前に、なぜかニワトリを抱いた高齢のヨーデル歌手が立ちふさがり、奪ったものを返せとさとす。


チッキンアタックのキャプチャ
盗みをはたらいて逃げるニンジャ

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立ちふさがるヨーデル歌手

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はなたれる大自然の使者、ニワトリ

チッキンアタックのキャプチャ
はげしいカラテの応酬が始まる

ひとりで何ができるとあざけるニンジャに、ヨーデル歌手は「Who told you I was alone?(誰が一人だと言った?)」と答え、ミュージカルパートへ移行。大自然の力をこめて抱いていたニワトリを解き放つと、それはもう一人の、白装束のニンジャへと変わる。気をのまれる黒のニンジャも挑発を受けて、戦いのかまえをとり、はげしいカラテの応酬が始まる。

一見するとあまりの意味不明さにショック症状を引き起こしそうだが、歌唱のすばらしさと、殺陣のキレ、さらにはやけに手のこんだCGでニワトリからニンジャへの変身を描いた場面が絶妙に溶け合って、じっくり視聴するとくせになる内容。世界中で人気を集めている。

いちはやく日本で紹介したニュースサイト「ロケットニュース24」などは、2016年に人気を博した音楽動画「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」になぞらえ「第2のPPAPになりそうない勢い」と持ちあげるほど。それは気が早いとしても、PPAPと同じくつい何度も見返してしまう魅力があるのは確か。

実はChicken Attackは、「SONG VOYAGE」というコメディシリーズの一部。米国の音楽バンドThe Gregory Brothers(グレゴリー・ブラザーズ)が世界6か国をめぐり、歌にまつわるさまざまな冒険をする筋書きで、日本編ではヨーデル歌手、石井健雄氏が特別出演している。

石井氏はヨーデルの盛んなドイツのバイエルン地方などでは有名な人物で、伝統音楽を受け継ぎつつも若者向け番組への露出も多い。今回の動画でも美声をいかんなく発揮しているほか、ネコ耳をつけたり、口の中を七色に光らせたり、よく分からないサービスシーンを大量に披露している。

さて、なぜそもそもヨーデルとニワトリなのかというと、数年前に石井氏がニワトリとともに登場して歌う音楽動画「New Bibi Hendl (Chicken Yodeling) 2011 」がYouTubeで大ヒットした一件が背景にある。


そちらもなかなか面白いし、石井氏の美声もすばらしいので視聴を勧める。