
Twitterは最近、問題があると判断したWebサイトやブログへのリンクを「有害」などとして閲覧を制限しようとしている。だが精度はまだ不十分なのか、米国の著名な報道機関であるCNNのニュースまで一時対象にしてしまった。すでに制限は解除している。
CNNのニュースは、「ワカモーレ」という米国で人気のソースについて、原料のアボカドはメキシコ産が多いので、輸入品にかかる税金が上がれば、値段が高くなってしまうかもしれない、という内容。
スポーツファン悲鳴?、NAFTA再交渉でワカモーレ値上がりか https://t.co/3pbgphdukO
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) 2017年2月6日
アメリカンフットボールの頂点を決めるため2月に開催する「スーパーボウル」では、ワカモーレを楽しみながら観戦する人が多いので、季節の話題として取り上げたらしい。
しかし、それにTwitterの情報規制機能の何かが反応した。CNNがTwitterに投稿したリンクから誰かがニュースを開こうとすると、いきなり以下のような警告があらわれたのだ。
「あなたがアクセスしようとしているリンクはTwitterまたはパートナーによって有害なサイトと認識されているか、Twitterの利用規約に違反しているとみなされています。次のような問題が起きる可能性があります。
・パスワードやその他の個人情報を盗む
・悪意のあるソフトウェアをインストールする
・スパム目的で個人情報を収集する
・Twitterの利用規約に違反しているとみなされる」
不安を覚えてニュースを読み直してみても、ワカモーレが値上がりする懸念以外は読み取れない。また該当するリンクをセキュリティ企業の解析ツールで調べても改竄(かいざん)などの警報は出ない。
もっともTwitterは情報規制をめぐって、以前からちょっとした間違いを犯しがちだ。例えばよく問題があると判断した人物や組織をおおざっぱかつ大量に「凍結(Suspend)」して発言を封じるが、2016年にはうっかり自らの最高経営責任者(CEO)ジャック・ドーシー氏も対象にしてしまった。すでに凍結は解除し、「内部のミスだった」と説明している。
just setting up my twttr…again (account suspension was an internal mistake)
— jack (@jack) 2016年11月23日
Twitterは誰でも自由に発言できる場として発展してきたが、最近は「いじめ」や「デマ」「サギ」の温床になっていると批判もあり、次第に方針を変えつつある。そうした過程で起きた手違いかもしれない。
ただ今回は有名なCNNが対象だったため、すぐおかしさに気づいて指摘する人がいたが、ほかのリンクに閲覧制限がかかったら間違いかどうか簡単に判断できるだろうか。