ラーセンCの亀裂写真
2016年11月にNASAが撮影したラーセンCの亀裂

米国ニューヨークのマンハッタン島の100倍近い面積を持つ氷塊が割れて南極から分離し、漂流を始める可能性があると話題になっている。さらに氷塊がせき止めていた内陸の氷河などが流れ出れば、海面上昇の恐れがあるともいう。

英国ウェールズのスウォンジー大学やアベリストウィス大学が中心となって進める南極の観測計画「Project MIDAS」が1月初旬に発表し、BBCをはじめとする各国の報道機関が相次ぎ伝えている。

Project MIDASによる説明画像
Project MIDASがまとめた亀裂の説明

割れようとしているのは、「ラーセンC(Larsen C)」という南極の端にある棚氷(たなごおり)だ。

棚氷とは、陸にあった氷の一部が海にせり出した状態を意味する。かつて近くにはほかにもラーセンB、Aという棚氷があり、いずれも19世紀末にC.A. Larsenという船長が発見した。ただAは20世紀末に、Bは21世紀はじめに失われている。

ラーセンCもじわじわと崩壊が進んでいるが、英大学によると12月後半になって新たに亀裂が18km広がった。さらに20kmほど伸びると、完全に割れて全体の10分の1ほどの面積が流氷となってただよい出しそうだという。その大きさはおよそ5,000km2で、英国ウェールズの4分の1、あるいは米国デラウェア州、日本の千葉県と同じぐらい、といった例えも出ている。

南極大陸の一部の形が完全に変わることになりそうだ。

ラーセンCについては、米国航空宇宙局(NASA)も11月初旬、極地を観測する「IceBridge」作戦の中で、航空機を使って氷塊に走る巨大な亀裂を撮影するなど、各国の注目の的となっている。

NASAによるラーセンCの空撮写真
NASAによる空撮

ちなみにラーセンA、B、Cはそれぞれ歴史が異なるが、Aについて千年単位、Bは1万年以上前から存在したとの研究がある。近年に相次ぎ崩壊しているのは、地球温暖化などの影響があるのではないか、とみる研究もある。