
ミャンマーでコハクに閉じ込められた恐竜のしっぽの一部が見つかり、大きな話題になっている。ふさふさと羽毛がおおっていて、かつてのウロコをまとったトカゲの仲間という恐竜の印象を薄めるものだからだ。
この件についての論文を掲載した米国の学術雑誌Current Biologyが、さわりを紹介している。
しっぽは羽毛が生えているものの、骨のかたちからして太古の鳥ではなく、明らかに恐竜のものだと分かるのだそう。どうやら約9,900万年前の白亜紀中期に生きていた種で、羽の上側は栗茶色、下側は白っぽい色をしていたらしい。

この標本は、北京の中国地質大学の研究者であるLida Xing氏が2015年、ミャンマーはカチン州の州都ミッチーナー市の有名なコハク市場で発見した。
何らかの植物を閉じ込めたかけらという扱いで、宝飾品の材料になるなどの見込みから売りに出ていたのだそう。だがLida Xing氏は重要なものだと考え、中国の徳煦古生物研究所に購入を要請した。標本を入手したあと、はじめは中に入っているものの正体が分からなかったが、念入りなCTスキャンと顕微鏡観察によって突き止めたという。
すでに一部の恐竜に羽毛が生えていたらしい証拠は化石などで見つかっているが、今回の一件でますます「トカゲよりは鳥に近い」という印象が強くなっていくだろう。

ゲームや映画といった創作に登場する恐竜も様変わりしていくかもしれない。