CIAが作成した日本の地図
1945年にCIAの前身が作成した日本の地図
食料状況を示している

地図の色分けの意味を示す
黄色は「十分な供給」、赤は「余剰」、緑は「不足」
食料難に地域別の偏りにあったと分かる

米国中央情報局(CIA)がインターネット上に公開したさまざまな地図が注目を浴びている。写真共有サイト「Flickr」に大量に投稿した資料は、世界の歴史を振り返る上で貴重な内容だ。

いずれもかつて「機密」指定を受けていたが、もはや外部の目を遠ざけておく必要がなくなったとして制限を解除したもの。1941年にCIAの地図作成センターの前身となる組織が発足してから75周年を迎える記念にと一挙に表に出した。


CIAという組織の性質上、内容は戦争や政治に関連するものが目立つ。1940年代は第2次世界大戦に関連して日本やドイツの地図、1950年代は東西冷戦に関連したキューバの地図といった具合だ。

1945 Japan Food Sufficiency

1942 Russian Front

ほかにも危険な麻薬であるコカインの国際流通を示す地図や、絶滅の恐れがあるアフリカゾウの生息数や象牙取引の現状を示す地図、大型ハリケーンが各国に与えた被害を示す地図など、CIAが多種多様な分野に注意を向けているのがうかがえる。

1990 Worldwide Coca Cultivation

2013 Elephant population

11月中旬にCIAが自ら解説記事も掲載し、海外のニュースサイトで盛り上がった。日本でも国立国会図書館の情報サイト「カレントアウェアネス・ポータル」などが紹介して話題を呼んでいる。

ちなみにCIAは過去にも機密指定を解除したUFO(未確認飛行物体)の資料を公開するなど、風変わりな情報発信をすることでも有名な組織だ。