マツダが電気自動車(EV)開発を本格化するという話題が注目の的。以前には「デミオEV」というクルマを世に送り出している。
デミオEVは「走る歓び」を強調しつつ環境、安全性能を重視したモデルとして2012年にリース販売。航続距離はJC08モードで200kmと当時としては長い。
ベースモデルは名前の通り「デミオ」の3代目。一般にガソリン車をEVにすると車重が増えてしまいがちだが、バッテリーパックケースの素材にアルミを使うなどし、細部まで軽量化を試みて、1,180kgに抑えている。
総電力量20kWhのリチウムイオン電池と、回転数に応じて巻線を切り替えるの独自のモーターを採用。力強い発進時の加速と、高速域での伸びやかな加速感がうりだった。最大トルクは150N・m(15.3kgf・m)/0~2,800rpm、最高出力は75kW(102PS)/5,200~12,000rpm。
減速時にモーターを回して発電しバッテリーに蓄える回生機能や、CHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電機能などもきちんと備えている。
オプションでリアトランク下部に100V給電器を備えつけ、災害時や野外イベントの電源として使える。
PCやスマートフォンなどからインターネットを介してバッテリーの充電やエアコンの操作なども行える。さらにエンジンを持たないEVは走行音が小さいため、歩行者に接近を知らせる装置もついている。
デミオEVは、広島県内の自治体が公用車として採用するなど、リース販売を計画していた100台はすべて導入先が決まり、新規申し込みは受け付けていない。ただ、現在も中国地方を中心にそこかしこを走行しており、マツダはデータを収集して研究に役立てているのだとか。
マツダはしっかりEVのノウハウを蓄積しているもようだが、独自開発するという新モデルはどんなクルマになるだろうか。
ちなみに余談だが、マツダは1997年に水素で走る燃料電池車も開発している。
そちらは初代デミオがベースで「デミオFC-EV」という名前。今となっては懐かしいデザインなのも趣深い。