ミジンコの頭の画像
ミジンコの頭は、ちょっとだけとがる
(出典:「尖頭を持ったマギレミジンコにおけるフサカの捕食に対する防御機構」)

ミジンコの一種は、身の危険を感じると頭をとがらせる。しかし何の意味があるのか、という話題が、なぜかTwitterなどで盛り上がっている。

Twitterでは以前から「ミジンコの一種は危険を感じると頭をとがらせるが、特に意味はない。しかもとがらせるのに丸1日かかる」といった情報が出回っていた。


小さな生き物のおかしな特徴ということで笑いを誘ってきたが、最近になって本当に意味がないのかどうか疑問に思った人が調べてみたところ、別な情報があらわれた。

実はミジンコが、天敵であるフサカ(蚊の一種)の幼虫に襲われた際は、頭をとがらせていた方が、頭をとがらせていなかった場合よりも捕食されにくいという。

科学技術振興機構(JST)が公開している電子ジャーナル「J-STAGE」にある論文を、とある人が見つけ出してTwitterに投稿した。

非力なミジンコが、身を守るための精いっぱいの努力としてちょっとだけ頭をとがらせる。しかもそれが無駄ではなく、意味を持っていたという可能性に、笑いから一点、不思議な感動さえ広がっている。

論文は、日本陸水学会の2002年府中大会で発表。題名は「尖頭を持ったマギレミジンコにおけるフサカの捕食に対する防御機構」で、信州大学山地水環境教育研究センターの今井眞木、花里孝幸の両氏が執筆した。