
スーパーコンピューター「京(けい)」があらたな世界王者のタイトルを獲得した。実用性を競う「HPCG」で初めて首位にたった。理化学研究所と富士通が発表した。
HPCGは正式には「High Performance Conjugate Gradient」と言い、産業利用などでの性能を示す指標である共役勾配法の処理速度を競う。
スーパーコンピューターの性能をより多くの視点から評価するため2014年からランキングが発表。前回、2016年6月のランキングで京は2位だった。
今回はチューニングを変えてさらに得点を高めた。CPUの演算性能のみならずメモリーやネットワークも含めたシステム全体としての性能の釣り合いがとれている強みが出たという。
京は「ビッグデータ」と呼ぶ大量の情報を処理するうえで重要なグラフ解析の性能を競う「Graph500」でも1位をとっており、いわば多様なスポーツ種目で金メダルが獲れる万能選手のような活躍ぶりだ。
なお単純な計算能力を競う「TOP500」では7位となっている。
中国勢も目立つ

一方、中国のスーパーコンピューターも各分野で活躍している。
例えば「神威太湖之光」はTOP500で1位を維持しているほか、Graph500では京に次ぐ2位、HPCGでも4位という位置にある。
今後も熾烈な競争が続くと見られる。