デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」

ほんの少し前まで、仕事のメール処理用に、自宅にデスクトップPCを設置している人は多く存在していた。だが、それらもスマートフォンやタブレットで片づけてしまうケースが多くなった今、デスクトップPCの存在理由とは何になるのだろうか?

そのひとつの回答が「Remix IO」。AndroidベースのRemix OSを搭載したデスクトップPCだ。


デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
AndroidベースのRemix OSを搭載したデスクトップPC「Remix IO」

仕事でメールをやりとりする場合や、友達とSNSで繋がる場合には、スマートフォンの小さな画面でも支障はない。だが映画やドラマを見たり、ゲームをしたりするには、画面が大きい方がより楽しめる。であれば、Androidを小さなボディから引っ張り出し、大画面のテレビに接続すればよいのではないか?これが「Remix IO」のコンセプトだ。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
小さなボディに押し込められているAndroidを引っ張り出し

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
大画面に接続

Remix OSは、Windowsに近い操作性が特徴。例えば、複数のアプリを同時に開き、画面上に並べて使用することが可能だ。また、Google Playが利用可能なのも強み。使い慣れたAndroidアプリをインストールできる。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
Androidアプリをウィンドウで開ける「Remix OS」

「Remix IO」は、このRemix OSのパワーを最大限に活かすことを目指したデスクトップPC。HDMIコネクタで家庭のテレビに接続して使用する。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
テレビに接続することで、Remix OSのパワーを最大限に

ユースケースとしては、従来同様、デスクトップPCとしての利用があげられるだろう。各種メールアプリやSNSアプリを使用して友人と連絡を取ることもできるし、オフィスソフトで簡単な業務をこなすこともできる。D-Subコネクタも装備されているので、使わなくなった古いモニターがある場合には、それを活用可能だ。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
古いモニターを活用できるD-Subコネクタ

だがなんといっても「Remix IO」が力を発揮するのは、各種動画サービスを利用して映画やテレビドラマなどを楽しむケースだろう。筆者は自宅でノートPCにRemix OSをインストールして使用しているが、AmazonビデオやHulu、dTVなどを視聴可能だ。この結果が「Remix IO」にも適用できるとは必ずしも言い切れないが、かなりの確率で利用可能になるだろうと予想される。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
各種動画サービスの利用でそのパワーを発揮

ゲームも「Remix IO」の強みのひとつ。開発元のJide Techでは『クラッシュ・オブ・クラン』など、複数のスマートフォン用ゲームを、大画面でプレイする動画を公開している。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
『クラッシュ・オブ・クラン』も、大画面で

動画視聴やゲームを楽しめるようにしたのはハイスペックなハードウェア。RK3399またはRK3368プロセッサーや、4GBのメモリーを搭載。Androidマシンにはちょっともったいないのでは?と思える仕様としている。さらに、CPUにはファンまで装着。ハイパフォーマンスゲームへの対応を目指した。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
本体は小さいが、ハイスペック!

開発元のJide Techでは現在、「Remix IO」の市販化に向け、クラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施している。99ドルの出資でRK3368プロサッサーと2GBのメモリー、16GBのストレージを搭載した「Remix IO」を、129ドルの出資でRK3399プロセッサーと4GBのメモリー、32GBのストレージを搭載した「Remix IO+」を入手可能だ。出荷時期は「Remix IO」が2017年3月、「Remix IO+」が2017年5月に予定されている。

デスクトップPCもAndroidの時代に…動画サービスやゲームに特化した「Remix IO」
デスクトップPCは、テレビになる?

さて、Remix OSでは多くのAndroidアプリに対応しているが、中には動作しないものもある。また、動作しても、タッチパネルでの操作に最適化されているため、キーボードとマウスでは操作しにくいものも。そしてプリンタードライバーなどはまだまだ不足している。

これらを解消するため、Jide Techでは近くRemix OSの開発者キットを公開。多くのアプリ開発者に、Android向けアプリをRemix OS向けに最適化するための働きかけを始めるという。実現すれば、「Remix IO」および「Remix IO+」で動作するアプリは今後より増えていくはず。Jide TechによるRemix OSコミュニティの構築と、その発展に期待したい。