ソフトバンクのスマートロック
交通系ICカードがカギ代わりになる

Suicaなど交通系ICカードをカギ代わりに使って自転車を簡単に借り出し、目的地についたらその場で返却できる仕組み「HELLO CYCLING」。ソフトバンクが開発した。まずは11月11日から東京・中野で1時間100円で利用可能になる。

ソフトバンク社員のアイデアをもとに設立したベンチャー、OpenStreetと言う企業と協力して手掛ける。


スマートフォンやパソコンで、「ステーション」という専用駐輪場を検索し、自転車の利用予約、決済までの一連の手続きを行える。借りた自転車はどのステーションでも返却可能なため、目的地のそばで「乗り捨て」が可能だ。

自転車アプリのスクリーンショット
「ステーション」を検索して、最寄りの場所で貸し出し、返却手続き

あさひ、ベクトルワン、サイクルスポット、シナネンサイクルなどが自転車を供給するという。自転車にはすべてGPSと通信機能を搭載し、交通系ICカードをカギ代わりにして開錠する「スマートロック」を装備。常に所在が分かるようになっており、空き状況なども把握できる。なお事前にICカードをアプリに登録しておけば、予約手続きは省ける。「おサイフケータイ」や「Apple Pay」への対応は未定。

この仕組みを最初に採用するのが、東京・中野の自転車シェアリング「シェアペダルNAKANO」。料金は11月27日まで1時間100円(税別、以下同じ)、1日800円としている。24時間営業。

11月27日まで、中野区内の商店街、企業、学校、団体などが85のイベントを開催する「なかのまちめぐり博覧会2016」で、各イベント会場を回遊する手段として利用できる。

27日以降の料金は未定。また中野以外の地域でも導入予定。一律の料金ではなく、自転車シェアリングを運営する企業ごとに決める。雨の日の割引など、状況によっても値段設定を変えられるようになっているそう。

IoT自転車の時代が来る?

国内外で自転車に対するIT企業の関心は高い。すでにNTTドコモはGPSや通信機能を組み込んだ自転車シェアリングの仕組みを開発している。こちらもICカードをカギとして使える。

ドコモの自転車シェアリング
ドコモの「ちよくる」

KDDI(au)は目下、自転車シェアリングは手掛けていないが、ドコモ、ソフトバンクの取り組みが成功すればより多くの企業が参加し、IoT自転車のいっそうの性能向上や多機能化が期待できるかもしれない。