
「Call in Sick」。語義通り訳せば病欠の意味で、米国では適当な理由をつけた欠勤も含めてそう呼ぶが、なかには説明があまりに「ありえない」内容もある。求人サイトCareerBuilder.comがそんなCall in Sickの例をまとめて公開した。
この調査はHarris Pollに委託し、8月11日~9月7日に実施。フルタイムで働いている従業員3,100人以上と、雇用・人材部門の管理職2,500人以上から回答を集めた。
雇用側に今まで従業員から聞かされたなかで一番あやしげなCall in Sickの理由はどんな内容かを尋ねたところ、次のような回答があった。
・「空気に含まれるオゾンがクルマのタイヤをぺしゃんこにしてしまった」
・「圧力鍋が爆発し、妹がおびえているので家にとどまらなければならなかった」
・「妻のいとこのペットの葬儀に参列し、“おじ”として、棺の付添人として役割を果たさねばならなかった」
・「家に突入してきた警察に阻止された」
・「麻薬密売人に不利な証言をせねばならず、密売人の仲間が襲ってきた」
・「髪の生え際の部分がみっともないので、手入れに行かなければならなかった」
・「キャットフードをツナと間違えて食べてしまい、死ぬほど具合が悪かった」
・「飼っているラマ(リャマ)が病気になった」
・「ワキに脱毛器を使っていたところ薬品でやけどをしてしまい、両腕をおろせなくなった」
・「命がけのボーリングゲームをしていて、仕事にいけなかった」
・「家の中で大グモに遭遇し、心的外傷性ストレスを経験した。クモに対処するために家にとどまらなければならなかった」
・「もっとやるべきことがあった」
・「誕生日ケーキを食べすぎた」
・「アヒルに噛まれた」
ちなみに従業員が述べたCall in Sickの本音として多かったのは次の通り。
・「ただ仕事に行きたくなかった」(28%)
・「医者にかかるため」(27%)
・「ただリラックスする必要があった」(24%)
・「睡眠不足を解消する必要があった」(18%)
・「私事のため」(11%)
雇用側の3分の2はこうした言い訳を受け入れている。ただし3分の1は事実を確認する姿勢だ。「診断書の提出を求める」(68%)とか、「従業員に電話をかける」(43%)とか、「従業員の家を訪問する」(18%)などだ。
また雇用側の3分の1は従業員のソーシャルメディアを見ていて、投稿によってCall in Sickが嘘だとはっきりすると、27%はクビにし、55%はもう少し穏便に懲戒しているそう。
これらの欠勤の言い訳がよほど気に入ったのか、米国の著名経済誌Forbesもこの結果を取り上げて手のこんだ記事にしている。米国はクリスマスを含む「ホリデーシーズン」が近づきつつあり、この時期はCall in Sickも多くなるのだそう。