イタリアの自転車メーカーAgnelli Milano Biciは、シトロエン2CVとトライク(3輪自転車)から「2CV Paris」を制作しました。世界から少しずつ姿を消しつつある2CVを電動アシスト自転車という形で楽しめるカスタムカー(?)に仕上げています。
この自転車のフロント部分は1980年製の2CVで、バック部分は1929年製の自転車Doniselli Duomo。この2台を1台にまとめた、ある意味“ニコイチ”な乗り物が「2CV Paris」です。2台のクルマから作られた“ニコイチ”車は昔はよく見かけたものですが、クルマと自転車の“ニコイチ”は珍しいのではないでしょうか?
制作したのは同社のLuca Agnelli氏。同氏によればDoniselli Duomoは、アイスクリームや花などの移動販売で使用されるカーゴバイクだったのだそう。そのカーゴ部分に2CVのノーズを取り付けたのだそうです。と、こう書いてしまうと簡単そうに聞こえますが、実際には両者のサイズがかなり違っていたため、作業は困難を極めたのだとか。
ドライブトレイン(?)を紹介しましょう。エンジン…というかモーターにはBafang製の36ボルト250ワットが採用されました。これに組み合わされたトランスミッション…というか変速機は6段のもの。この組み合わせにより、車体の重い「2CV Paris」をパワフルに前進させてくれます。
人間のパワーは0.2馬力程度と言われています。その0.2馬力のみで走行する自転車のデザインは、少しでも軽く、少しでも風の抵抗を受けないような方向に進化してきました。
でも、電動アシスト技術が進化したことで、軽くなくても、風の抵抗のことなど考えなくてもよいデザインが可能になりつつあります。その新しい進化の、現時点での最先端が「2CV Paris」と言っても良いのかもしれません。
モーターのアシストを受けた「2CV Paris」は、もはや0.2馬力ではありません。かといって、2馬力(2CV)というわけでもないのですが…。
気になる価格ですが、Luca Agnelliさんによれば1万6,500ユーロだそう。日本円で約187万円です。これは2CVの程度の良い中古車を買えるお値段。買うかどうか、迷いますね。
日本への送料については、「いくらになるか見当もつかないが、欲しい方がいるなら、喜んで配送の努力をする」と、Luca Agnelli氏は述べています。
同社の電動アシスト自転車のデザインはどれもユニークなもの。「2CV Paris」では、クルマのデザインを取り入れていますが、その他の自転車は1950年代のバイクのデザインを取り入れたものとなっています。それらは同社のWebサイトで公開されているので、ぜひ見てほしいそうです。