ペダルを漕いでタイヤに空気を入れる「Bimp Air」…

ペダルを漕いで発電する自転車用アクセサリーは多く存在している。だが、ペダルを漕ぐパワーを利用してタイヤに空気を入れる製品は、現時点ではそれほど多くない。

その数少ない製品の1つが「Bimp Air」。フロントホイールに取り付けて使用すれば、汗をかきながらポンプを押す必要がなくなる。フランスProduction Functional Factoryが開発した。


ペダルを漕いでタイヤに空気を入れる「Bimp Air」…
ペダルを漕げばタイヤに空気を入れられる「Bimp Air」

「Bimp Air」は「ENERGY-C」「HPS」「Bimp'Air CAPS」の3つの部品から構成されている。「ENERGY-C」はハブの回転をエネルギーに変換するコンバーター、「HPS」はそのエネルギーで空気を圧縮するコンプレッサー、そして「Bimp'Air CAPS」は空気を貯め込むエアカプセルだ。コンプレッサーとエアカプセルはホースで繋がっている。

ペダルを漕いでタイヤに空気を入れる「Bimp Air」
フロントハブに取り付けられた「ENERGY-C」

ペダルを漕いでタイヤに空気を入れる「Bimp Air」
空気を圧縮するコンプレッサー「HPS」

ペダルを漕いでタイヤに空気を入れる「Bimp Air」…
空気を貯め込むエアカプセル「Bimp'Air CAPS」
ボトルケージに取り付けて使用する

「Bimp Air」を取り付けた状態でペダルを漕いでフロントハブを回転させれば、空気がエアカプセルに充填される。時速15キロで約6分走れば、エアカプセルは約11リットルの空気で満たされ、いつでもタイヤに空気を入れられる状態になるという。

タイヤに空気を入れるには、エアカプセルをボトルケージから取り外し、カプセルからのびるホースをタイヤのバルブに取り付けて、リリースボタンを押す。一般的な自転車であれば、10秒足らずでタイヤを空気で満たすことができるそうだ。

ペダルを漕いでタイヤに空気を入れる「Bimp Air」
「Bimp Air」を使ってタイヤに空気を入れる様子

「Bimp Air」の開発者であるMarcello Aghilone氏は、自転車を取り巻く技術は大きく進歩しているが、空気入れだけは進歩を止めていると述べる。いまだに手でポンプを押し、汗をかきながらポンプを押すのは時代遅れだというのがAghilone氏の考えだ。

「自分自身と家族の自転車を用意したら、ガレージには少なくとも4台の自転車が置かれることになる。毎週日曜日に家族で自転車に乗って出掛けるなら、8本のタイヤの空気圧を調整して空気を入れ、場合によってはパンクを修理しなければならない。私はこの作業をもっと楽にしたいと考え、『Bimp Air』の開発を思い立った」

販売価格は299ユーロ。「Bimp Air」のオンラインショップから購入できる。オンライショップは現在はフランス語版のみだが、近く英語版も公開されるとのことだった。

オンラインショップでは、「Bimp Air」を取り付け可能なハブのシャフト径等が解説されている。Production Functional Factoryは、日本から購入する場合には返品などは難しくなってしまうので、愛車に「Bimp Air」を取り付け可能か確認してから発注して欲しいとしている。購入前に不明な点があれば、気軽にEメールで連絡して欲しいとのこと。Eメールでの質問はフランス語の他、英語でも受け付けるという。

「Bimp Air」対応フロントホイール
「Bimp Air」を取り付け可能なシャフトサイズなど

Montage et fonctionnement du système Bimp'Air - ORIGIN from Bimp'Air on Vimeo.


オンラインショップがフランス語のみということもあり、現時点では購入はちょっとハードルが高そうだ。だが日本で販売されれば、集合住宅に住む人が多く、自転車通勤者も増えつつある日本では「Bimp Air」は人気がでるのではないだろうか?朝、駐輪場まで行って自転車の空気圧が低いことに気付き、部屋まで戻って空気入れを持ち出し、ポンプを押して空気を入れ、再び部屋に空気入れを戻す…という一連の行動を取っていると、学校や会社に遅れてしまうかもしれない。だが自転車に「Bimp Air」が装備してあれば、空気圧調整は一瞬で終わる。価格は少し高めではあるが、この値段で朝の貴重な時間が買えるのであれば、悪くない気がする。

ペダルを漕いでタイヤに空気を入れる「Bimp Air」