リンドウの花とバイオプラスチック
漆器と同じ光学特性を持つバイオプラスチック

「漆器(しっき)」の艶(つや)と同じ光学特性を持つバイオプラスチックを、NECなどが開発した。材料は草、ワラ、木材などで、加工がしやすく、大量生産ができる。

京都工芸繊維大学、漆芸家の下出祐太郎氏と共同で開発した。


プラスチックは一般に石油から作るが、資源問題の観点から、植物を利用しようという動きがある。いわゆるバイオプラスチックだ。

トウモロコシなどのデンプンを使う場合が多いが、NECは食糧問題も考えてワラや木材などのセルロースを使う手法に力を入れている。

今回はこのバイオプラスチックに、着色性や光の反射性を調整する添加成分を配合。高級漆器の深く艶のある漆黒(しっこく)と同等の低明度や高光沢度を再現した。環境配慮の面で優れるだけではなく、石油を使ったプラスチックにはない、独特な美しさを持たせたとする。

通常のプラスチックと同じように熱して溶かし、金型に流し込んでさまざまに加工できる。従来の漆器には難しい形状であっても、自由にかたちづくれるのが魅力だ。