オールインワンの通勤用自転車「Volata」

自転車用ライトやサイクルコンピューター、そして電子制御サスペンションに電動シフト。自転車用ガジェットやツールやパーツは次々電子化・電動化されている。

だが困ってしまうのがそれらの充電。自転車通勤をする人だと、ライトやサイコンを取り外してオフィスに持ち込み、充電している人も多いだろう。だがこれは面倒くさい。ライトだけならまだ良いが、ガジェットが複数あると、充電し忘れることもある。


「Volata」は、そんな人にぴったりの自転車。ライトやGPS、盗難防止装置などが最初から自転車に組み込まれており、さらに、それらすべてに給電するセンターバッテリーが搭載されているのだ。バッテリーへの充電はダイナモを利用するため、毎日自転車に乗ってある程度の距離を走行すれば、AC電源からの充電は不要になるという。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
自転車通勤者向けの全部入り自転車「Volata」

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
フロントダイナモが、センターバッテリーを充電し
すべてのガジェットに給電!

そう、「Volata」は、自転車通勤者向けに設計され、サイクリストを毎日の充電の手間から解放してくれる一台なのだ。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
自転車を通勤ツールとして使う人に!

「Volata」にはその他にも、自転車通勤者向けの工夫がたくさん詰め込まれている。例えばステムには2.4インチのスクリーンが搭載されており、スマートフォンと連携してナビ機能などを提供可能だ。スクリーンは小さいので、「約150メートル先を右」など、限られた情報しか表示できないが、走行中にはこの方が便利だし安全だろう。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
ステムに搭載されたスクリーン

自転車通勤者のためにデザインされた「Volata」
ナビ機能などを提供する

ライトはセンサーにより周囲の明るさを検知して自動点灯するタイプ。点灯し忘れがないため、夜間の安全性が向上する。フロントライトはフロントフォークに組み込まれており、明るさは2個で合計300ルーメン。リアライトも装備されており、これは横からも見えやすい設計。リアライトは充電を忘れがちなツールだけに、これが充電不要になるのはうれしい。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
フォークに組み込まれたフロントライト
充電不要なのがうれしい

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
夜間の視認性を高めたテールライト
充電不要なのが、本当にうれしい!

各機能のコントロールはハンドルバーに取り付けられたジョイスティックを使用。これにより、スマートフォンの画面をタッチするより、安全かつ確実な操作を可能にしている。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
ハンドルバーに取り付けられたジョイスティック
触るのが癖になりそう…

これだけのガジェットを自転車に取り付けると、自転車は取り付け金具やケーブルだらけになってしまいがちだ。だが「Volata」では、ケーブル類は可能な限りフレーム内部を通す設計。すっきりとしたルックスを楽しめる。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
ケーブルをフレーム内に隠すのも
最近の流行ですね

その他、注油不要なベルトドライブや内装式変速機など、自転車マニア向けではなく、通勤で自転車を使う忙しいビジネスパーソン向けの、メンテナンスが楽な装備が満載となっている。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
ベルトドライブはメンテが楽なだけでなく
音も静か

さて、欧米では「Volata」同様、最初から必要なアクセサリーが装備された自転車が増加しつつある。これはかつて、クルマでも起きたことだ。かつてクルマは、購入したあとにカー用品店で様々なパーツを追加して楽しむものだった。だが最近ではそのような人は減り、標準装備品で満足している人が多数派になっている。もちろんそうではないマニアな人もたくさん存在してはいるが、「通勤で使うだけ」というような人は、純正品を選択するのが普通だろう。

自転車にもそんな時代が到来しつつあるのかもしれない。

―オールインワンの通勤用自転車「Volata」
時代は“全部入り”?

Volataは現在同社Webサイトで予約を受け付け中。日本への送料は現時点では不明だが、欧州への送料は150ドルを予定しているそうだ。価格は3,499ドル。出荷はいまから1年後の2017年7月に開始予定となっている。

オールインワンの通勤用自転車「Volata」
なぜ、そんなに時間がかかる!