ARM製ICチップが入る自動車の部品
あれもこれもARMアーキテクチャに?

ソフトバンクが英国の半導体大手ARMをおよそ3兆円で買収するとの発表が話題を呼んでいる。ARMの設計するICチップは、iPhoneなどの心臓部になっている重要な部品だが、それだけではなく、今後はクルマ分野でも大きな影響力を持つとの見込みだ。

ARMは工場などを持たない企業で、ICチップの基本設計を専門に手掛け、実際の製造などは協力している外部の企業に任せている。そのチップはiPhone、iPadはもちろんAndroidスマートフォン、タブレットまで、さまざまな機器が搭載している。


しかしソフトバンクがARMを買収する理由として挙げたのは、何もモバイル分野での活躍だけではない。家電や家具まで通信機能を持たせて便利にするモノのインターネット(IoT)、それにクルマの分野で事業を成長させる機会があると考えている。

ソフトバンクグループを率いる孫正義氏は、会見で「これから自動車の中にはARMベースのチップが沢山入っていく」との考えを披露した。

自動運転の流れの中で、クルマが「走るスーパーコンピューター」「走るロボット」とでも言うべき存在に変わっていくとの予想だ。クルマに組み込んだ多様なセンサーなどの情報を処理、制御するためにICチップの需要が高まり、ますますARMの潜在価値は増すと見込む。

ソフトバンクは4月にも日本で、自動運転技術のコンサルティングを手掛ける「SBドライブ」を設立するなど、ほかの大手IT企業と同じくクルマには一定の関心を示していた。

いずれロボットに続きこの分野でもソフトバンクグループが無視できない存在になるのだろうか。