PalPANDAで撮影した月
月のクレーターもiPhoneで撮影

iPhoneやiPadを、月のクレーターまでくっきり見える天体望遠鏡へ早変わりさせる装置「PalPANDA」が登場した。TOCOL(トーコル)が取り扱う。希望小売価格は9,000円(税別)。

PalPANDAの外観写真
秘密はこれ

カートン素材の望遠鏡

PalPANDAは、段ボールのようなカートン素材を組み立てて簡単に作れるのが特徴。トーコルは以前から同様の製品を販売しているが、最新モデルであるPalPANDAは天頂プリズムをアルミコートから銀コートに変更し、反射率を約20%向上させた。


PalPANDAの使用例
iPadと組み合わせればみんなで月が見られる。太陽の観察も可能だ

これによりカメラの撮像素子の信頼性を高め、大気の澄んだ日に月を覗くと表面の淡い色味まで撮影できるという。トーコルでは実際にiPhone 6sとPalPANDAを組み合わせて撮影した月の映像をYouTubeに公開している。

iPhoneで撮影した月面
くっきり


ほかにも土星にむけると、輪が本体からちゃんと分離して見えたり、木星にむけると、衛星や、本体の2つの縞模様が観察できたりするとか。

有効口径38mm、光学約35倍。iPhoneやiPadのデジタルズームと併用すると約140倍まで拡大できる。Androidスマートフォンやタブレットとも組み合わせられる。サイズは296×244×39mm。3脚などは付属していないので注意。

顕微鏡にも

なおPalPANDAの接眼鏡は、そのまま光学約25倍の顕微鏡、偏光顕微鏡として使える。プレパラート標本のほか、ミジンコやヤマトヌマエビなどの水中生物も生きたまま観察できる。偏光顕微鏡では、岩石薄片や結晶も目にできる。

顕微鏡としての使用例
顕微鏡としても利用可能。ヤマトヌマエビちゃんを観察しているようす


7月下旬には有料オプションとして地上望遠鏡用のキット「PalBeans」も登場する。取り付けると、遠く離れた場所から野生の鳥や動物を観察できる。