インターネット接続機能を備えた防犯カメラののぞき見被害を防ぐ方法を、メーカーのパナソニックがあらためて案内している。

ネット接続した防犯カメラ(ネットワークカメラ)をのぞき見するいささか趣味のよくないWebサイト「Insecam」。以前からニュースサイトなどでは話題になっていたが、テレビや新聞が取り上げ、認知度が向上したことで、あらためてプライバシーや防犯上の懸念が高まっている。


Insecamは、日本の防犯カメラ約6,000台を標的にし、撮影映像を勝手に表示している。パナソニックやソニーの製品なども対象だ。

■メーカーは、カメラを使う人の意図までは判断できない

パナソニックに問い合わせたところ「防犯カメラ(ネットワークカメラ)を使う人の意図までは判断できない」との回答。映像を自分だけが見るつもりで使っている人のほか、ライブカメラとして広く見てもらうために使っている人の両方がいるため、一律には扱えないとの考えを示した。

公開したくてしている人、意図せず公開している人、メーカーに判断はできないとのこと
公開したくてしている人、意図せず公開している人、メーカーに判断はできないとのこと

例えばInsecamのようなサイトが掲載するカメラの映像で、個人の家の中が覗けて、ペットが動き回るようすが見られたとする。意図せぬ公開を疑ってしまうが、実際は持ち主がペットを披露したいと考えており、世界中から見に来ることを気にしてない、という場合もあるのだとか。

そうは言っても以前からパナソニックは懸念を把握しており、公式サイトと取扱説明書で警告を示すだけでなく、把握できる範囲で、カメラの施工業者などに注意を呼びかけているそう。

1月21日には、あらためて意図せぬ公開を防ぐ方法を案内している。まず設定画面で「ユーザー認証」を「off」あるいは「未登録ユーザーを許可」と設定している場合、誰でもアクセスできる状態になっており危険だという。

ユーザー認証の設定を「on」または「未登録ユーザーを禁止」 にし、容易に推測できない文字と数字を組み合わせてユーザー名、パスワードを設定するよう求めている。

さらに買ったままの状態、いわゆる「工場出荷時」のユーザー名、パスワードを削除せずに使っている場合も危険。工場出荷時のユーザー名、パスワードは広く公開してあるので、セキュリティを守る効果は期待しづらい。こちらも容易に推測できない文字と数字の組み合わせに変更してほしいそう。

これに加え「11111」などの連続する数字や文字、関係者の生年月日や電話番号などは、よくないとしている。またユーザー名とパスワードを誰が管理しているかはっきりしていない状態も危険、等々を述べている。

ソニーにも問い合わせたが、防犯カメラ(ネットワークカメラ)については企業での導入が中心。取扱説明書で不正アクセスへの注意を呼びかけており、セキュリティ保護を利用する際はID、パスワードを「工場出荷時」のままにしないよう促しているらしい。